第4話 理想の成れ果て
「今日はやけに疲れた顔をしてるな」
「ええ、実はいろいろあったのよ」
シモンは夜が明けてすぐに、エクスピアのもとへ向かった。ルイスに見つかるとまた長話を聞かされそうだし、見境のない男もまた同様の理由で会うことは避けたかった。
出入り口にいる若い警備員はなにも言わなくても、素通りさせてくれた。職務怠慢とも言えるが、シモンが権利乱用をしているため、彼に非はない。たとえセドルに詰問されたとしても、命令されたと言えば、彼は無実だ。
もし彼になにかあれば、そのときはどんなことをしてでも助け出してみせるつもりである。たとえば、エリアRの機能を停止させるなど、シモンにできることは多くある。機能のほとんどを復興させ、また自分なりにカスタマイズもしている。他の誰かがどうにかできるレベルではないはずだ。充分に交渉の材料になりえる。
しかし、そんなことはシモンにとって些細なことでしかない。もし彼の立場を本当に思っているのならば、『危険領域』に向かったりしない。彼女の中での優先事項、天秤の傾きは明瞭だった。
「そういえば、アミクスはなにをしているの?」シモンは歩みを止めずに訊いた。
「さあな。俺はあいつじゃないから知るわけがない」
「通信機能とか付いていないの?」
「俺からあいつに伝達をする術はない」
「アミクスにはあるのね」
「さあな。俺はあいつじゃないから知るわけがない」
「まあ、そうなんだけれど」
「エネルギー問題を解決できそうか?」
「今のところ難しいわね。永久機関を造る技術があればいいのだけれど、私にその知識はないし、それが造られたという事実もまだ見つかっていないわ。現状をただ打破できればいい、というだけの問題ではないから、どうしても規模が大きくなってしまうのよね」
「でも、解決への道は見えているわけだろう」
「どうしてそう思うの?」
「希望があるからだと思ったからだ。人間というのは、どんな大きな絶望に呑み込まれそうになったとしても、ほんの小さな希望が微かでも見えれば、生きようとするからな。あんたを見るかぎり、希望を失ってはいないようだ」
シモンは驚いてエクスピアを凝視してしまった。「絶望」や「希望」なんて言葉がメルマキナから出ると思わなかったのだ。人間ではない彼から――ましてや彼は、その絶望を創り出した張本人であり、希望を蹴散らした存在だ。
しかし、だからこそ出てきた言葉なのかもしれない。その様子を目の当たりにした彼の経験則からなる人間に対する評価なのかもしれない。
「そうね、そうとおりだわ」シモンは視線を外した。「実はエリアRには地底湖があるの。その上の施設に居住しているのだけれど、見つけたとき、施設内の機能はほとんど停止していたわ。それで調査をしてみたのよ。そしたら、施設の主動力源は別の場所にあることがわかったの。その恩恵を受けて動いていた。今は予備電力というべきか、貯蓄していた電力でなんとか耐え凌いでいるって感じ」
「それで、ここへ来ているのか」
「ええ。エリアR付近には建造物の姿は見当たらない。人間の世界にはもうそんなものはないのかもしれない。だから、私は『危険領域』に目をつけたの」
「その考えだと、複雑だな」
「ええ、私たちが住んでいる場所は安全ではないのかもしれない」
人間が危険だと豪語している『危険領域』は安全ではないが生活するためのものが揃っていて、人間が安全だと信頼して住んでいる場所はエネルギーの枯渇問題により危険が迫ってきている。
エクスピアの言うとおり、複雑な状況だ。
「それを他の人間には伝えないのか?」
「伝えたところで、どうにもならないわ。今さらあの場所を手放すことはできないし、新しい場所を見つけるまでの時間が、より多くの仲間を殺すことになる」
「一人で抱え込む気か」
「一人じゃないわ」シモンは言う。「あなたがいるもの」
しばらく歩いていると、一際大きな建物が目の前に現れた。今まで見てきた建造物が縦に伸びていたのに対し、この建物は横に広がっている。奥行きを推測できないほど広がっており、シモンの興味を惹いた。
高さ五メートルほどのコンクリートでできた塀の上には、有刺鉄線が備え付けられていた。誰かに踏み躙られた形跡もないそれは、シモンに違和感を抱かせた。
「どうした?」
「いえ、なんでもないわ」
敷地内に進み、まず左右を確認した。右側の庭には噴水があり、水は出ていない。ただのオブジェなのだろう。それを裏付けるようにその周辺には、獣をかたどった石工のようなものが散乱している。
入口の扉はきちんと閉ざされており、電気の通っていない今では、誰が門前に来ても反応を示すことはなかった。少し調べてみたが、他の建物とは違い、扉の劣化は進んでいなかった。ただ「開く」という使命を失っただけのようだ。
「どうする」エクスピアが訊いた。破壊するかどうかを確認しているのだろう。しかし彼の視線は扉にはなかった。
「もう少し見てからにするわ」
「そうか」
シモンたちはオブジェの散乱した右側の庭へ向かった。オブジェはどれも風化が進んでおらず、まるで造られたばかりのようだった。ヒビもなく、大きな汚れもない。建物自体は時間が経っているようだが、オブジェだけが停止している。これらだけがこの場所で、異質の存在だった。
指先でそっと触れてみる。ざらついた感触。しかし、指に白い粉がつくことはなかった。少し強めに触れてみたが、同様である。損傷することがないようだ。石膏ではできていないのかもしれない。
粗方の確認が終わり、再び扉の前に戻ってきた。この建物の左右には窓はなく、のっぺりとした壁だけだった。オブジェは特に動かせるわけでもなく、また埋没しているものもあった。砕けているものはなく、どれも完全な形を保っていた。左側の庭にはオブジェもなく、特徴的なものも見受けられなかった。しかしなにもないことが逆に不気味だった。
結局のところ、外側だけでは建物の概要を把握することはできなかった。ここまでしっかりと姿形が残っている造形物は珍しい。それこそ最近になって造られたものでないかぎりは……。
「おかしい」エクスピアが呟いた。
「あなたもそう思う? この建物、まるで崩壊が進んでいない。周りとは違って、時間が止まっているようだわ」
「それもあるけど、それだけじゃない」
「どういうこと?」
エクスピアはなにも答えなかった。いくら名前を呼んでも、気付く素振りがない。思考を巡らせているのだろうか、とシモンは自分の姿を重ねた。
シモンも集中して考えごとをしていると外部からの音が強制的に遮断される。思考に集中することに、自分の能力のすべてをかけてしまう。他のことが疎かになる。
もしかしたらエクスピアにもそういう状態があるのかもしれない。いくらメルマキナとはいえ、演算処理が複雑化すれば、また試行回数が多ければ、時間がかかるだろう。人間が数年、数十年、下手をすれば数百年かかることを数分でやるようなものだ。
人間の所有する限界を、時間の限界をメルマキナは簡単に凌駕する。人間の一生が矮小に感じられるほど、彼らにとって時間は無限に近い有限だ。いまだかつてメルマキナが戦闘以外で停止した姿を見た者はいないだろう。彼らがセルウィと呼ぶ存在ですら人間にとって巨悪だというのに、エクスピアたちはそれを簡単に破壊する。
人間とメルマキナには越えられない、縮めることの敵わない絶対的な差があり、それでいて彼のように人間と変わらない容姿をしていれば、劣等感と言わないまでも、畏怖の対象になるのには充分だ。
人間にとって、彼らが恐ろしかったのは、自分たちでは太刀打ちできなかったことだろう。人間どうしならば、隔離し、迫害し、弱者を強者が痛めつけることができる。異質な個人は簡単に潰せる。それは防衛本能だ。自分たちを守るため、自分自身を守るための強固な統率機能。それが遺伝子に組み込まれている。遥か太古の時代からあったかもしれないが、シモンは安定した時代にこそ、それが刻み込まれたと考えていた。
なにが人間で、なにが人間でないのか。それが区別できるようになってから、明確な基準ができた時代でもなければ、異質を異質として捉えることができない。
おそらく、人類はエクスピアたちを異質として捉えられなかった。初遭遇のとき、同じ人間に見えたことだろう。今のエクスピアがそうであるように、防寒布の一つでも纏えば、そうじゃないと判断するのは難しい。
見ただけではわからない。それは世界の真理だ。視覚だけですべてを把握することができるのなら、きっと未来だって見ることができることだろう。
静寂が続いていた。風も吹かない。なにもかもが停止していた。
エクスピアに動きがあったため、シモンは彼の様子を窺った。まだなにか考えているようだったが、しかし意識はこちらに向けられている。
「もう考えはまとまった?」シモンは訊いた。
「いや、まったくだ。だけど進むしかないみたいだ。予測ばかりじゃあ、わからないからな」
エクスピアが鋼鉄製の扉に手をかざすと、短い耳障りな音が鳴った。シモンは肩を震わせてしまった。扉には地面と垂直になる線が新たに引かれていた。指一本でも通りそうにないほどの狭さだ。彼はそこに指を無理矢理押し込んだ。どうやら頑丈さは彼の方が上らしい。片側だけ開かれ、シモンにも中の様子を見ることができた。室内を照らす光は彼女たちが立っている場所から差し込まれるものだけだった。入ってすぐのところに観葉植物がいくつか置かれていた。
「安全性は確保されているのかしら」
「絶対はないな。とりあえずセルウィの反応はない」
シモンは、室内に足を踏み入れた。すぐに外との違いを実感した。まるで空気が違ったのだ。濁り切った空気はなく、軽く、そして澄み切っていた。密閉された空間だからこそ保たれたのだろう。
観葉植物に触れてみたが、それは触れると簡単に崩れた。指に残った粉末を凝視してみた。粉末は緑色のものもあれば、白色のものもあった。おそらく中庭にあったオブジェと同じ材質だろう。混合比などが異なっているため、強度が違うのかもしれない。
「ライトはどこかしら」シモンは辺りを見回した。奥の方までは光が届いておらず、充分にかくにはできない。
「壁に穴を開けるって方法もあるな」
「お願いだからそれだけはやめて」
チョークバッグから懐中電灯を取り出し、スイッチを入れる。けして大きなものではないため、照らせる範囲は狭い。まずは天井を確認。照明が破損しているようであれば、電源を探したところで無意味だ。電気がいまだに通っているのか、そもそもそれ以前の問題なのかは、今は保留だった。考えるだけ無駄だ。天井の照明を粗方確認したが、どれも破損をしている状態ではない。
要塞のような外観から察するに、内部の状態を保持する目的は達成しているようだ。周囲の建物と変わらない時代に建造されたものならば、それだけ厳重に「なにか」を守るための箱なのだろう。もしくは棺桶なのかもしれない。誰かの「知識」を保存している場所が、昔はあったという。類稀なる才能を持つものの「それ」は、朽ち果てさせるのすらもったいないと思わせた。
奥に続く通路は三つ。入口の正面、右手側、左手側。俯瞰すれば、それぞれの辺の中央を通っていると思われた。
左手の奥側には受付カウンターがあった。そのサイズから考えて、だいたいこのフロアの六分の一くらいのスペースを占めている。その手前側には、長椅子が規則正しく並んでいた。高さは三十センチ強ほどで、背もたれはない。六人がけ程度の長さ。それが三×四の十二セット。
右手側にはテーブル席が並んでいた。奥に続く通路を境目に、手前側の椅子は床に着いていて、奥側の椅子はテーブルに逆さまに載せられていた。なにか意味があるとは思えなかったため、シモンは記憶することを放棄した。
「まずはあっちからね」
エクスピアとともに、受付カウンターに向かった。彼が先行し、おおよその安全が見越されてから、シモンはそのスペースの内部に進んだ。
カウンターデスクの裏には、二段ほどの棚があった。そこに収められていたのは、古いタイプの通信機だけだった。コードは丁寧に束ねられている。使用された形跡は見られない。
壁にはホワイトボードが備え付けられていた。ボード上にはいくつかの磁石と磁石がキャップに付いたペンが二本。どれも傷一つついていない。
ホワイトボードの下にはキャビネットが並んでいた。同じものが三つ。キャスターは付いていない。高さは一メートル弱くらいで、天板部にはなにも置かれていない。引出を一つずつ開けて調べてみたが、なにも入っていなかった。念のため引き出しを取り去り、内部をライトで照らしてみたが、やはりなにもなかった。
誰かが使ったという形跡は、不自然なほどに見当たらなかった。形跡を消し去ったわけでもなく、用意しただけ、といった印象だ。あるいは模しただけ。そう、今のところのイメージは模型だ。表にあったオブジェからもそれが連想される。噴水も、ただあそこにあるだけなのだ。意味などないのだろう。
「手掛かりはなさそうだな」
「どっちの?」
「両方だ」
「そうね、まるで見当がつかないわ。使用された形跡がないけど、でも誰かが用意しなければこうはならない」シモンはカウンター内を見渡す。「どれもこれも汚れ一つ、傷一つすら付いてないし、それに、なんていうか、中途半端なのよ、ここ」
「中途半端?」
「通信機や磁石はあるけど、キャビネットの中にはなにもない。向こうにある椅子もそう。どうして片側だけ上げられているのかしら。そんなことって普通考えられないと思わない? そうする意味は? 誰かがここの……そう、たとえば証拠隠滅のために片付けをしたと考えたらわかりやすいわ」
「そもそもあれは本物なのか?」
「偽物かもしれないわ。オブジェの可能性もある。だけど、それだとこっちが不自然だわ。なぜオブジェじゃないものが並んでいるの? その差異はなに?」
「用意し切れなかったとか」
「本物を用意する方が難しいと思う。それもほとんど新品じゃなくて、完全な新品なんて……、そうね、時代錯誤っていうのかしら。通信機を見ても、ずっと以前のものってことはわかるけど、だけど、それが『危険領域』内で無傷で残っているのはおかしい。百歩譲って内部は守られているとしても、建物自体が崩壊していないなんて……」
「考えてばかりじゃあ、仕方ないだろ」
「そうね」シモンは頷いた。
シモンたちはまずテーブル席側の、つまり入口から見て右側の通路を進むことにした。もちろん決めたのはシモンだ。エクスピアはその手の意思を見せず、シモンに従ってついていく姿勢を崩さなかった。
通路へ進む前に、件のテーブル席を調べた。ざらざらとした手触りはなかったが、しかし簡単に砕くことができた。テーブルに載っていた椅子は独立したものではなく、テーブルや他の椅子とでワンセットだった。一つの塊から掘り出されたのだろう。もう片側の椅子は独立したものだったが、やはり簡単に崩すことができた。すべてが偽物。本物はなに一つない。
懐中電灯の光を頼りに、奥へと向かう。この建物の不自然な点は、照明を点けるスイッチがどこにも見当たらないことだ。あのカウンター内の天井にも照明はあった。けれどスイッチはなかった。どこかへ続く扉もない。仮説として考えられるのは、どこかで一括して管理しているか、もしくは最初からないか。
十メートルほどで、両壁に扉を見つけた。右側の扉はスチール製の手動のもの、左側は鋼鉄製の自動のもので、その上にはセンサーが付いていた。スチール製の扉は『危険領域』ではよく見られる、つまり前時代の産物である。鋼鉄製のものは最近――といっても百年ほど前からの近代の産物だ。入口の扉が開かなかったことから考えると、左側の扉はエクスピアに無理矢理こじ開けてもらうしかない。
まずはスチール製の扉に手をかけた。どうやら建物自体は石工でできているわけではないらしい。ホールだけはまともに造られ、あとは張りぼてだと思っていたが、違っていたようだ。
室内には、なにもなかった。どんなに懐中電灯で照らし出しても、のっぺりとした壁と天井、それに床だけだった。広いとも狭いともいえない広さ。
エクスピアとともに室内に入り込み、壁に触れたりした。つるつるとした感触。特別な塗料を塗布しているようだ。
「なにかある?」シモンは訊いた。エクスピアの姿は闇に呑まれていた。
「ないな。空っぽだ」
「なぜかしら」
「さあな」
シモンが先に部屋から出た。エクスピアは少し間を置いてから出てきた。
向かい側の部屋の扉は、案の定センサーで開くことはなかった。そのためエクスピアが扉を切り抜いた。彼としては一気に吹き飛ばしたかったようだが、室内になにがあるかわからない以上、それを許すことはシモンにはできなかった。扉を切り抜いたとき驚いたのは、枠だけを切った扉を、磁石のように彼は自分の手に引き込んだ。厚さが二十センチはありそうな扉が、正面にスライドする様子を初めて見た。
「ねえ、あなたのその《力》ってなんなの?」部屋に入る前にシモンは訊いた。
「力? 腕力のことか?」
「扉を引き込んだり、メルマキナを粉々にしたり……」シモンは彼に出会ったときを思い浮かべた。「あとは光で打ちつけたりしたでしょう」
「光? ああ、あれは俺じゃない」エクスピアは扉を壁に寄せて置いた。「あれはアミクスの固有能力だ」
「光を操れるの?」
「操れるかどうかは知らないけど、あいつの攻撃、防御方法は光だな。エネルギーの塊って感じかもしれない」
「エネルギー……」
「あいつのことはあいつに訊いてくれ。俺にはわからない」
エクスピアが先に部屋に入った。会話はない。
数分して、エクスピアが戻ってきた。安全が確認できたようだ。彼に続き、シモンも部屋に入った。
室内にはコードが樹木の根のように這っていた。太さはそれぞれ違うが、どれも伸びている先は同じだ。最初にコードを壁側に辿った。懐中電灯で照らしていくと、丸い光が歪んだ。それは壁に辿り着いたことを表していた。しかし、コードの終わりはそこではなく、さらに壁を這っていた。そして天井からすべてのコードが伸びていることがわかった。
奥へ進むために、コードを踏み越えていく。まともに床があったのは入口から数歩もなく、それ以外はコードで覆い尽くされている。
先ほどの部屋の三倍の広さはあった。その中央部には培養器が三つあった。容器のガラスは割れている。天板からは千切れたコードが垂れ下がっていた。どれも偽物ではない。実際に使われたかどうかは不明だが、他の場所とは受ける印象が違っていた。この部屋だけが歪だと思った。
しかし、そうではない。新品同然のものや、それを模したオブジェが揃っていたホール。そう、冷静に考えてみれば、向こうの方が歪なのだ。ここがどんな場所にあるか忘れてはならない。それが基準だ。
だがそれでも、シモンの中の言い表せない感情は拭い去ることはできなかった。どちらかが異常なのかが重要なのではなく、どちらも同じ施設内に混在していることが異常だということがわかってしまったからだ。
「あなたの固有能力は?」混沌とした空気に耐えきれず、シモンは口を開いた。
「俺は風だ」エクスピアの調子は変わらない。
「操れるの?」
「自分で作り出した風ならできる。他の風はできない」
「風の力で、今見たいに扉を切ったり、引きつけていたりした。メルマキナを簡単に破壊していた。やっぱりあなたたちって凄いのね」
「凄くなんてないさ。こんな力を持っていても、誰かを傷つけることしかできない。そういう風に造り出されたから」
「そんなことないわ。私を守ってくれているじゃない」
「そうだな」とエクスピアの返答。
渇いた沈黙。
そして、呟き。
「それだけだ」
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