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 『エラーが発生ししました』

 突然黄金に輝いたアスカの鎧が警笛を鳴らし始めた。

 ビービーと辺りを鳴らすそして機械はこう言った。

 『ラグナロクシステムを発動します』

 「なっなんですって!?」

 アスカの身体を借りたほのかの母親が驚いた声を発する。

 そんな大変な事なのかそのラグナロクシステムというのは。

 大変な事であった。

 「ラグナロクシステムが発動したら、上位のシャドウが増えていってしまう、アーマーガールズの鎧を模した姿のシャドウが!」

 ほのかの母親の言うとおりに車道の真ん中に駄洒落ではないがシャドウがわき出てきた。

 真っ黒なシャドウが人形をしている、そしてそれは大鎌を持ったトウヤのシルエットに似ていた。

 その次に現れたのはまいのような槍を持ったシャドウ、そしてカリンのようやレイピアを持った者。

 そしてアスカの身体を借りたほのかの母親はシャドウに取り込まれほのかの姿のシルエットと化していた。

 「こっこの世界は数えきれないほどの罪や悪が蠢いているそっそれを一気に浄化しようとしたため皆がシャドウになってしまった」

 ほのかの母親はシャドウに取り込まれる前にそう言い放った。

 この状況に四人のアーマーガールズはまたも変身し、戦う事を決意した。

 トウヤのシャドウがカリンに攻めてきた大鎌も同じで著作権を完全に無視している。許されない事である。

 カリンは大鎌をレイピアで弾き返し、身体を右に回転させ、シャドウトウヤの横腹を突き刺した。フェンシングならピーとなるであろうがこれは実戦であるためならなかった。

 影なので手応えがないと思われたがトウヤの機械の鎧と同じ装甲を持っているらしい。

 そして彼女と同じ変形する大鎌であった。

 よって癖もトウヤと同じで彼女と何度も戦ってきたカリンにとっては好都合であった。

 彼女の癖、大鎌を振り上げる時に脇腹ががら空きなのもそっくりそのままである、コピー能力を使うカービィもビックリである。

 くるくる機械の槍を操りながら襲いかかってきたのはまいの形をしたシャドウであった。

 トウヤは本物の鎧を装着して大鎌で相手の攻撃を防いでいる。

 「伊達にまいとむんむん《トレーニング》してた訳じゃねぇ! 同じなんだよその動きがぁ!!」

 トウヤの持つ大鎌のビームの刃によって電撃を放つシャドウまいの攻撃を弾き返している、すると光の火花がチカチカと飛び出していった。

 どちらかが気を緩めれば相手にやられるであろう。

 しかしトウヤ達には問題があった、生身の人間なのでいつまで体力が持つか分からない。

 シャドウは疲れをしらず無限に相手に突進してくる。

 ロボットのように感情もなくただ敵を倒すのを目的としている。

 さすがに歴戦練磨のトウヤも冷や汗が出てくる。

 「俺が汗かいておめーはシャワー浴びたばかりになんもないなんて不公平だっつてんだぁ!」

 そうするとなんとシャドウが喋ったのだ。

 『そうこの世界は不公平、不平等、悪がはびこる世界、善の世界に変えなくてはならない』

 その言葉と同時にそこにいるシャドウはもちろん他のアーマーガールズを模したであろうシャドウが次々に沸いて出てきた。

 『この世界を善の世界へ』

 『この世界を善の世界へ』

 『KAENAKUTEWA』

 皆が皆使命を持って革命を起こすように誰もが自分は英雄であるかのように正しい教えを呪文のように詠唱するようにその言葉をはきはじめた。

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