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 まさかあのお山の大きいまい先輩が私のペンダントをひっそりと持って行ってしまうなんてありえない。

 ほのかは自分がまいのスケスケ黒レースのパンチィーを拝借したくせにそんな事を考えていて、ぐったりとソファに寝転んでいた。

 「泥棒扱いされたらやっぱりポワポワのポヨポヨのまい先輩も怒るかな?」

 本物はどこに、と考えているとあっと思わず口に出した。

 「あの大鎌の女の子、あいつの仕業じゃないのかな?」

 いてもたってもいられなくなったほのかは深夜にもかかわらず、まいに電話をかけた、呼び出しの写真はパンチーだった。

 やはり寝てるかなぁ? と電話の通話終了を押そうとするとやや眠そうなポワポワの声が聴こえてきた。

 「あらぁ~ほのかちゃんじゃない、どうしたの?」

 すると電話の向こうから誰かの声が聞こえてきた。

 「まい~何やってんだ早く続きやろうぜ。満月の日止まらねーんだ」

 一瞬男の子かと思いまいを寝とられたと思ったほのかはその声に聞き覚えがある事に気づく。

 「あれ? まい先輩、あの時の大鎌の男の子みたいな女の子の声が聞こえてくるんですけど」

 ガタガタと何やら音が聞こえた、まいがあわててスマホを落としたのだ。

 拾ったのかまたも声が聞こえてきた。

 「テレビの声じゃないの?」

 明らかに動揺している。

 「こんな時間に……あっもしかしてピレブンPM見てるんですね」

 ちょっとえろい番組だ、それがないときもあるけど。

 だがその番組ほすでに終了しているはずだ。

 「すみません、それより私のペンダント見ませんでしたか? まい先輩の家でいい匂いのお風呂に入った時外したんですけど」

 その言葉にまいは少し悲鳴をあげた。

 「あなた、ペンダント着けて帰ってたわよ」

 するとほのかは頭を掻いた。

 「はい、でもプラスチックの偽物だったんです、ちょっと時間が遅いけどそちらにおうかがいしてもよろしいでしょうか? ついでにもみもみさせて下さい」

 まいは弾かれたようにその言葉に反応した。

 「だめよ!!」

 「あ~じゃぁもみもみはなしでそこに向かいます」

 ほのかはまいがもみもみの方を否定したと勘違いした。

 ほのかのいつものド直球な性格で彼女はすでに玄関に行き、寒い夜の闇に消えていった。

 まいは一度消した電気をまたつけて部屋をうろうろしていた。

 完全に狼狽していた、いつか気付かれるだろうと思っていたがこうも早く気付かれるとは思いもしなかった。

 深夜一時を指している。

 「心配する事はねーじゃねーか、あいつはアーマーガールズじゃねーんだ、俺に任せろ追い払ってやるからさ、だが残念だなあいつも結構可愛いからまぁお馬鹿スポーツ少女属性ってとこか? 顔のいい男なら足と腕をかっさばいてもよかったがちょっと弱らせていたずらでもしてやんよ」

 「いや、あの子もズタズタにして」

 まいの見せる野獣のような残忍さが顔に出ていて時々その表情を見るトウヤでも少しゾッとさせるのだ。

 

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