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今朝の事が嘘のようにいつものように学校の授業が終わると、ほぼうたた寝していたほのかはチャイムと一緒にあくびを放った。
ほのかの友達のアスカがとんとんと肩をモールス信号のように叩いたので振り向くと、口の横に手を当てて静かに言った。
「ねぇ三年生に転校生が来たんだって、しかもすっごい綺麗てもっぱらの噂よ」
高校一年生のほのか達のクラスまでその名を轟かせるとは本当に美人フラグたちまくりであった。
放課後、件の転校生を見てほのかはびっくらこいた。
朝助けてくれた女の人だ。
彼女はあの襲撃の後何も言わずに去って行った、だが服装はあの鎧の機械を身にまとっていた為によもやその下に自分の通っている制服を着てる事など思いもよらなかった。
よりみちはよくしているが。
ほのかは心の小箱につまらない駄洒落をしまうと(鍵までかけた)今朝のお礼がまだだった事を思いだしたくさんの女の子に囲まれているのも構わず駆けて行った。
「あっほのか! もぉまた後先考えず突っ走る」
アスカはそういいつつ彼女らしいと思い、手を腰にあてて微笑んだ。
ほのかはアスファルトに火花を散らせながら勢いよく下手すればトリプルアクセルを世界初氷上で行わなかった者として語り継がれる勢いで転校生の元に駆け寄って猛進した。
取り巻いていた女の子達はほのかにぶっ飛ばされて宇宙で衛星となったので転校生のプロテクトは無くなった。
「あっあなたは今朝の」
驚いた顔がポワポワだった、戦っていた時は厳しい顔をしていたが今はポワポワしている、多分たれ目のポワポワ感がそのポワポワをポワポワぜんとしているのだ。
「あの機械の鎧はなんです?」
小さい子に教えるようにポワポワ先輩は目線をほのかに向けてにっこり微笑む。
デカパイの迫力に圧されそうになりながらもメラメラと燃える目でポワポワ先輩を見るほのか。
「きっとあれですか? 正義のヒーローという奴。悪い氷使い女と戦ってるんですね」
それを聞いて先輩はクスクス笑った。
「あの人は別、私達が戦っているのは
そんな怪物見たことも聞いた事もない。
「驚くのも無理は無いわねなんたってその怪物は普通の人には見えないもの、あれは悪の存在ですべての悪はあの怪物達がけしかけているの、実際この世界は悪の世界と言われ
「そっか~」
ほのかは頷いてそう言ってみたもののちんぷんかんぷんならぬとんちんかんぷんであった。
「その怪物をやっつけてこの世界を善の世界にするのが私達の役目」
「そっか~」
一応返事するほのか。
「そういえばお名前まだでしたよね、私は烈火ほのかです。スポーツは全部得意です。全部やりたいです。フェンシングとか」
くすくすと笑う――決して馬鹿にしてはいない笑いであった――ポワポワしてる先輩。
「私は
ほのかはおぉと雄叫びを上げて強そうな名前ですね、と彼女なりにほめた、強い=すごいが彼女のすごさランキングトップに入る。
「そうだせっかくお友達になったんだからお家にこない?」
たれ目をもっとたれ目にして微笑むまい。
変な事を想像して鼻血をたらしながらヘドバンのように首を縦にふるほのか。
またあの機械の戦いを見れるかもしれないと秘かに期待をしていた。
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