第07話 一緒にいる人
僕たちは一旦間ができたので飲み物で喉を潤した。そして
「えっと途中で邪魔が入ったけど、次ね。真也くんを抜けさせない方法。夏樹くんがひとりにならなきゃ良いんだよね? 」
そうアキさんは尋ねてきた。うん、アキさんの言うとおりなので
「うん。そうだね。孤立しなければ真也も留まってくれると思うよ」
と僕が答えると
「なら私と一緒にいよう! 休憩時間や昼食時間に私が遊びに行くからさ。それならひとりじゃなくなるよね。隣のクラスの人じゃ駄目とかないよね? 」
と突拍子もない事を言いだした。いや、アキさんにそんな迷惑を掛ける訳にもいかないと
「いやそれだとアキさんに迷惑かけちゃうから無理だよ」
と僕が困ったように伝えると
「迷惑なんてかかんないから安心して。だって言ったでしょ? 私は夏樹くんのことが気になってるって。だからこれから一緒に居ていろいろと夏樹くんのこと教えて。そして私のことも知ってほしいかな? 」
とアキさんは優しい笑顔で僕にそう伝えてきた。
「確かに真也を抜けさせないようにするには良い案だけど……ほんとに良いのかなあ。まだクラスメイトで一緒に過ごせる人探してないから探してからでもいい気がす……」
僕がそう言いかけると
「探さなくていいの。私と居ましょう。ねっ」
と言葉を遮られてしまう。そんなアキさんを見てほんと積極的だなあと僕は困惑しながらもそんなことを思ってしまう。そしてアキさんの強い押しに負けてしまった僕は
「わかった。わかりました。アキさんお願いします。真也が抜けないように手伝いをお願いします」
とアキさんに告げると
「ううん、そうじゃなくてさ。確かに私としてもチャンスだと思ってこじつけてしまったけれど一緒にいるのは手伝いというだけじゃないから。だから普通に一緒にいようって夏樹くんに言ってもらえたら私も嬉しいんだけどなあ」
と手伝いだけじゃないと強く僕に伝えてきた。だから僕は
「わかった。これから一緒に過ごして、仲良くしてください」
とアキさんに伝えた。するとアキさんは満面の笑みで
「うん。一緒にいるから」
と答えてくれたのだった。
そして次にアキさんは
「最後に振られた件……夏樹くんに好きだった人いたんだあって残念に思ったけど好きだった人だから良しとしますか。えっとね、その話は別の場所でしたいんだけどまだ時間ある? 」
と僕に時間の都合を聞いてきた。それに別の場所ってどこに行くのだろう。まあ僕は帰宅部だし用事も別にないので
「別に問題ないよ? で、どこに行くの? 」
と僕が尋ねると、アキさんは
「大したところじゃないけれどそっちのほうが都合がいいと思うから。えっと場所は着くまで内緒」
そう言ってアキさんはまた笑って僕にそう告げたのだった。
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