第7話その後?

 俺は、一週間入院した。その間は、当然喫茶店は、休んだ。現在は、退院している。


 日曜日あなたがいる時だけは、店に立った。あなたは、変わらず俺に笑顔を向けてくれる。

 そして、オムライスを食べている。


「遼さん、もしよかったら今度の日曜日に出掛けませんか?」


「えっ?」


「いきなりですみません。このお店以外にも会いたいと思ったので。もちろん、体調が良ければですけど・・・」


「行こう。俺もそう思っていたから」


「いいんですか?無理はしなくていいですよ」


「無理はしてないよ。久しぶりに外に出かけたいんだ」


「ありがとうございます」



 こうして、俺にとっての初めてのデート。

 楽しかった。あてもなく、ブラブラと歩いたり、気になるお店があったら入ってみたりした。


 本当は、俺がもうすぐ逝ってしまうことを言おうと思っていた。


「さなえちゃん、聞いて欲しいことがあるんだ。」


「何ですか?」


「俺は、・・・」


 いざ、言おうと思うと言えなくなった。


「遼さん。私も話したいことがあるんです。私は、遼さんのことが好きです。一緒にどこまでも生きませんか?」


 さなえちゃんの告白を聞いて、心が温まった。生きてるって感じがしたけど


「遼さん?」


「俺もさなえちゃんのことが好きなんだ。でも、一緒に生きれない。俺は、もう一年も生きれないって医者に言われたんだ。さなえちゃんは、まだまだ人生永いんだ。それに、さなえちゃんは高校生だ。高校を卒業したら大学に行くか、就職とかするんだろ?この先も俺なんかよりも、もっと好い人がいるよ。だから、ごめん」


「『だから、ごめん』って、何ですか?私の好きって気持ちはダメなんですか?私は、遼さんが好きなんです。遼さんが一年も生きれないなんてその時にならないと分からないんじゃないですか?高校生だからダメなんですか?まだ、進路は決まってません。進路が決まって、新しい環境になっても私が一緒に生きていたい人は、遼さんなんです。遼さんじゃないとダメなんです」


「俺も、さなえちゃんと気持ちは同じだ。さなえちゃんが高校生だからダメなんじゃない。俺が一年後も生きていても永くは生きれないと思うんだ。俺が死んだら、さなえちゃんを悲しませて、泣かすことしか出来ないんだ。俺は、さなえちゃんの笑顔が好きなんだ」


「私は、遼さんが死んだら確かに泣いてしまうと思います。それは、悲しくて泣くんじゃないです。遼さんがいなくなって、寂しくて泣く涙です。それぐらい、好きなんです。そうなってしまっても、遼さんと生きていきたいんです」


「本当に、良いの?俺で」


「遼さんが良いんです」


「俺は、さなえちゃんとだったらどこまでも一緒に生きていたい」


「はい!よろしくお願いします」


「うん、よろしくお願いします」



 こうして、俺の最初で最後の彼女が出来た。

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