10、「登場人物がプロットからずれた行動をした場合、軌道修正しますか?」

 2週間にわたってお送りしましたカクヨム・ぱーてぃー非公式考察も10話目となり、いよいよ最後のテーマとなりました。


 え? 11個目はどうしたって?

 結局時間の関係で本編でやらなかったうえに、これもイエスかノーかで終わってしまうので省略します。

 ついでに言えば、私は非公開にしたことはないです。たとえ拙い作品だとしても、ここまで私がたどってきた道しるべの一つとしてあえて残してありますし、何より稀に読んでくれる人もいるので。


 閑話休題。

 この話題について、作者様によっては「登場人物がプロットからずれた行動をした場合」という事態が理解できない可能性があります。作中でキャラクターががどう動くか、一挙手一投足はすべて作者が決めるわけですから、そもそもキャラが勝手に動くなんてありえないのでは? と、考える方は多いと思います。

 ある意味作家の鑑ですね、その合理的な考え方が羨ましいです。


 しかし本編を見て見ればわかります通り、作品を書いていくうちにキャラが作者の意図しない方向に向かう、またはあらかじめプロットで決められた道筋をどうしてもなぞれないという経験は、あの時間まで残っていた参加者様が全員経験していることがわかります。

 プロットを完全に仕立て上げてから作品を書くというえーきち様も「修正しません」と答えていることから、意外と皆さん多少なりとも経験していらっしゃるようです。


 ちかえ様が言うような「うちのキャラは脳内で暴走する」というのは、物語が進むうちにキャラクターの個性が高まった結果、おのずとそのキャラがとる行動が決まってくるからでしょうね。

 これは私も比較的よくやってしまうことです。


 もしこの状態を修正したいのであれば、少し話を戻してでもキャラクターの情報を修正するか、またはプロットの方を捻じ曲げてキャラクターの動きに沿った内容に変更するか、の二択になるわけですが…………労力で言えば圧倒的に後者の方が楽です。

 しかし、少し道草を食う程度ならまだしも、物語の方向性を根幹から変えかねない動きをすると修正が非常に困難です。普段の連載ならまだしも、コンテストに応募するような作品でこれをやってしまうのは結構拙いんじゃないかなと思ったり…………物語の方向性が変な方向かっているなぁ、という感覚は、意外と読者の方が敏感にわかるんですよね。

 一方で、道を外れたら律義に修正をされる作家様もいます。

 私もコメントに書きましたが、こちらの方が本来であれば理想的です。ただし、相当な気力と根性の持ち主でない限り、まず間違いなく途中で作品の連載が嫌になって投げ出してしまうと思います。小説を書くのは完全に趣味なのに、なんで仕事のような苦痛を味わう必要があるんですかねぇ?



 というわけで、そんなことをするくらいなら細かいことは気にせず、修正せずに突っ走るというのが参加者様方の多数意見でした。

 まあ、よほど極端なことをやらない限りは、物語の根幹が崩れるようなことはなく、少し寄り道した程度で収まるはずですし、プロットをあらかじめ綿密に練っておけば、脳内に住むキャラクターたちも次の行き先が分かりやすくなるというものです。


 物語は生き物です。

 時間をかけて書くほど作者の腕前も向上し、物語への愛着も出ることで、連載を始めた頃よりいいアイディアがどんどん生まれてきます。そうして積み重ねていくことで、作者すら想像していなかった未知の世界に突入する楽しみも生まれるのです。

 合理的にきっちり書かれた作品も整然としていいものですが、日々の中で物語が育っていくのを見ることができるのは、web投稿小説サイトならではの楽しみ方だと思っております。


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