6、「複雑な話(登場人物の思惑が入り乱れている、世界観が独特で説明に字数を要する。時系列が入り乱れているなど)を書く時に工夫していることはありますか?」

 最近自分語りばっかりしている気がする…………気をつけねば。

 とはいえ、本編ではこのあたりから人数がだいぶ減ってしまい、私も変な深夜テンションでいろいろと語りまくっていたようです。それはそれでまあ、おもしろいんですけどねっ♪


 そんなわけでテーマですが、私は世界観を複雑にする派の作家なので、どうしても現実世界との違いについて説明しなければならないことが多いです。

 以前は単純に、地の文や一人称視点での説明セリフみたいなので「説明しよう!」とまるで昔のロボットアニメのごとき強引な解説を入れていましたが、これは完全に失敗でした。物語が色々と台無しです。


 一番確実なのはどう考えても「あらかじめプロットを決めておいて、それに沿って物語を作ること」なのですが、中にはどうしても執筆中に「もっといい流れを思いついてしまった!」とか「なんか足んねぇよな」ってなって、予想以上に物語がこんがらがり始める作家様もいるのではと思います。

 そんな場合は、とにかくいったん物語の着地点を見つけましょう。

 最終的に主人公や登場人物たちをどういった方向に導きたいのか、これがぶれると物語は結構簡単に明後日の方向に向かいます。そして、進んでいくにつれて修正が難しくなってしまいます。

 私の場合「星降る村の小さな英雄」で完全にそれをやらかし、主人公が本題に入らないまま10万字を突破するという割とどうしようもない展開になりました。

 物語を膨らませると、文字数は平気で増大していくから恐ろしい。短い切り口でスパッと終わらせられる作家様は心の底から尊敬します!


 ――――また自分語りしましたが、とにかく物語の節目をどこにもっていくかを決めるのは大切なことなのです。羅針盤なんて渋滞の元とか嘯いてふらふら進む船は途中で必ず難破しますよ。


 本編でほかの参加者様からあったいい意見としましては、@shibachu様の


 『年表や登場キャラの履歴書を作っておきます。』


 というもの。

 そこまで目新しいことではないですが、これが初めからできている作家様は意外と少ないと思います。

 キャラクターの中身はすべてが読者に見せられるものではなく、中には後半になるまで9割がたの情報が伏せられていたり、結局最後まで明かさない設定というのもあるかもしれません。

 ですが、そういった表に現れない部分こそ、そのキャラクターの動きを決めるといっても過言ではないかもしれません。

 このあたりのキャラクターの動きについては、やっぱり後のテーマで詳しく解説しようと思いますが、物語が作者の予想もしなかった方向に進む原因のほぼすべてはキャラクターに起因するものです。

 小説が進んでいく途中で世界観を追加する人は、あまり多くありません(私は結構やりますが)。ですが、小説を書いているうちにキャラに愛着がわいてきて、もっといろいろなことをさせたいと思ったり、初めにはなかった設定をつけたいと思うことは多いでしょう。


 だったら初めから全部決めておこうぜ!!


 よくよく観察してみればわかりますが、物語を書くのが上手い作家様の大半は、登場人物たちの動きが一切ぶれることはありません。このあたりに関しては、私もまだまだなので、学習していきたいところ。



 ちなみに、今回のテーマで勘違いしやすいのが「複雑な話を作るコツ」ではないという事。あくまで、複雑な話になってしまった場合の動かし方がテーマです。

 っていうか、複雑な話って…………どのくらいのことを指すのだろうか?

 キャラクターが複数で利害対立をしているとか?

 隠していた物語の真相が明らかになり始める頃とか?

 ミステリーとか?


 強いて言うなら、どうしても複数場面を同時並行しなければならない場合が当てはまるかもしれません。

 特に一人称視点で物語を進ませていくと、どうしても別の人の視点や、神の視点(※地の文のこと)から物語を見る必要がある場合があります。

 この時にあっちこっち視点が飛ぶと非常に読みづらい。そして、この問題は初心者がよくやりがちです。

 視点変更する際は、タイトルに仕込みを入れたり、なるべく分割しないことなどを心掛けたほうがいいかもしれません。


 一人称視点の時とは逆に、地の文で物語を進める場合に注意をしなければならないのが、時系列が進んだりさかのぼったりを頻繁に繰り返してしまう事でしょうか。

 例えば主人公が10日分物語を進めている場合、もう一方の視点では3日しか経っておらず、物語の関係上そこから主人公に追いつかなくてはならない、なんていうこともあるかもしれません。

 このあたりの差は上手くいけば物語を彩る美味しいスパイスの一つになりえますが、あまりにも多用すると読者だけでなく作者もこんがらがってわけわかめになります。

 こういった場合、途中の印象的なシーンを基準点にして、読者がその基準点からどれだけの差があるのかを自然と意識させるのがいいでしょう。



 とまあ、いろいろ書いたはいいですが…………これが正しいのかは自分でもよくわからない。

 どっからか小説の書き方に絶対の自信がある方が現れて、いろいろと指摘してくれないもでしょうか……。


 でも、ここだけの話、そういった辛口の批評を掛ける作家様の作品は、技術的な部分が前に出すぎるっていう欠点があるように思える。

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