第18話 転移の花



 一番最初にであったヒロイン、シスカの髪に花を挿す。


 あ、これ今の俺、さいこうに恰好よくね!


 はい、三名様ご招待。

 行先はどこか安全なとこ。


「まっ……て」


 転移した彼女達の姿を見送ってため息。

 あーあ、やっちまった。


 あきらめの境地で、こっちを囲んでいる連中がとどめをさすのを待っていたのだが……。


 どこからか、飛び出した緑の生物。


「ゲコッ」


 あ、ペットのゲコ太郎を逃がすのを忘れてた。


 ゲコ太郎は、俺の肩にのって、カエルらしく大ジャンプ。


 そして、


 顔面に「べちゃ!」っと激突してきた。

 何すんのお前!


 勢い余って、俺のファーストキスまで奪いやがって。


 だけど、そんなツッコミどころありまくる行動にも一応意味があった様だ。


 今、四人目のヒロインが目覚める。


 光り輝いたゲコ太郎は、次の瞬間。


 見るも麗しい白魔女と化していた。


「私もマスターはあなたデスか。ご命令を。殲滅しマス」


 あ、このカエルさんヒロインとの出会いのフラグだったのね。


 後に聞いた話だと、魔王を討伐する際に、カエルに貼る呪いを受けた白魔女だが、キスで元の姿に戻る事が分かった為、ダンジョンの中で人間が来るのをずっと待ってたらしい。


 お、おれのキッスがカエルに奪われた。変身後は美女だけど。


 めそめそしたくなるが、とりあえずやるべき事を。


「姉さん、やっちゃってください」

「了解デス」


 直後、白魔女さんの閃光があたりに展開していた部隊やら軍隊やら、特殊組織やらをなぎ倒していった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る