第15話 魔王の娘メアリ



 そんな探索の末、意味深な扉があった。

 この雰囲気は重要施設っぽい、

 とりあえず、気軽に扉を押して、室内へ。


 さて、一歩目で天井からマグマは?

 降ってこない。

 じゃあ二歩目で槍は?

 襲ってこない。

 三歩目でばけものがきたりとかは?

 しない。


 ここは安全圏って事か?

 失敗できるってお得だね。

 心に余裕ができるし。


 ここは、あきらかに他の区画とは雰囲気が違う。

 大事な物がありますよって感じだ。


 事実そこは、封印の間だった。


 奥に辿り着いたら、なんか角が生えてる人がいた。

 彼女は魔王の娘らしい。


 モノリスみたいな物体の中に入ってる。


「む、人の子か。遭遇するのは久しいな」


 名まえはメアリ。


「指示通りにこの板に向かって詠唱せよ」


 そんで、俺が呪文みたいなの口にして経年劣化してた封印破ったら、彼女の口から事情を説明してくれた。


 遥か昔、魔王と勇者が戦っていた時代。

 メアリは、魔王の娘として、昔の魔王と一緒に暮らしていた。


 しかし、その魔王が勇者に討伐した後、自由を奪われてしまい、このダンジョンに封印されてしまったらしい。


 その後、魔王の後継者としての力が影響して、ダンジョンが高難易度化。

 長い間、誰もここに辿り着かなかったらしい。


 何百年か何千年。

 その間、ずっと一人ぼっちでいたメアリは、誰かと喋れるのが嬉しいらしい。

 色々な事を聞きたがった。


 くそっ、何で俺が出会う人間は、会う奴、会う奴こういうのばっかりなんだ。

 嫌いになれねぇじゃねぇか。


「うむ、娘とはいえ魔王と同じ血を引いておる。必ず、お主の役に立って見せよう」


 置いておくのもあれだし、仕方ないから連れてくことにした。


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