第14話 高難度ダンジョン三十八周目



 で、無間地獄から復帰した俺が転移したそこは、高難度ダンジョンだった。

 シスカもジェシカもいない状態で。

 そんな俺の戦闘力はゼロ。


 0.1くらいはあるかもしれないけど、そんなの絶対ゼロに等しい。


 だから、当然のようにモンスターに殺され、トラップに殺された。


 結果・三十八周。


 百メートル歩くのに、一時間以上もかかるなんて思わなかったぜ。


 ダンジョン踏破する頃には、おじいちゃんになってんじゃん。


 でも、自力で抜け出せるわけもあったのが救いと言えば救い。

 あれだな。

 大した事ない罠でしたーと見せて油断させてから、後で本格的に殺しにくる用のやつ。


 結局罠かいくぐった後に、ぶっ殺されるのは確定なんだが、途中で良い物拾えたから、まあ無駄足にはならなかった。


 転移の花(ダンジョン脱出後に使用可能)とか、危険察知ブザー(男女脱出後に使用可能)とか。


 役には立たなかったけど、無駄足にはならなかったっていうこの妙な塩梅が、俺から怒りの発露の機会を、見事に奪い去っていくよな。


 なんなのこの世界。

 理不尽なくせに、妙なところで優しさみせてくるのやめて。


 で、途中で放り込まれた洗濯機っぽい罠にはまっている間に、一緒に罠にかかってたゲコゲコないてるカエルを助けたり。

 途中で落っこちた落とし穴で見つけたドレミ合唱中の喋るお花さんに水をあげたりしながら、前に進んでいった。



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