第8話 王都 十二周目



 そんなこんなで俺達は、えっちらおっちら移動して王都にたどりついた。


 シスカの身分があれなんで、地味に徒歩るしかなかったんだよ。

 おかげで足がパンパンだ。


 でも、苦労したかいはあった。

 数日かけて王都に到着。


 すげぇ人がいて、異国……じゃなくて異世界情緒にあふれてる。

 もふもふ耳とか付けた人いるし、道の片隅にいる大道芸人は本物の魔法使ってるし。


 で、王都にはシスカの知り合いがいるらしいけど、どこにいるんだろうな。


 このシスカの知り合いがまともに生活してるとか、想像できないんだけど。


 性格はどんなだろうな、なんかやっぱり大人しそうな感じ?


 まだ見ぬシスカの知人の想像を膨らませていると、ふいに頭上から声が。


 異世界ファンタジーの定番。

 新たなエリアに入ると美少女との出会い!


 女性っぽい声だ。


「しょーうねーん! そこどいてぇ!」


 うおっ。


 何か降って振って来た!


 どしんという衝撃が体にかかる。


 そこで意識が断絶。


 さすがにもー分かってきましたよ。

 俺。


 ファンタジーのだいご味である国の中枢にきてから、碌に時間たってないけど。

 このパターンは、あれでしょーね。


 あっ、死んだ。


 人って下手な部分に無理な力がかかるだけで死んじゃうんだね。

 当たり所が悪かったってやつ?


 瞬間景色が見覚えのあるものに、切り替わる。

 リスタート地点からの始まりだ。


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