非日常たる日常―1
異様な暑さにふとんを弾き飛ばし、とっさに飛び起きる。
左腕に嫌な感触を覚えながらバサリバサリとパジャマを煽り、流れる汗と共に髪をかきあげる。
「悪夢だ」
衝撃でほとんど忘れてしまったが、なんとなく自分が何者かに危険な目に遭わされそうになっていたような気がする。
カーテンの隙間から小鳥のさえずりと共に朝陽が差し込んでいる。
開放している窓からはそよりと春風が舞い込み、季節と花の香りを運んできた。
「……シャワーでも浴びるか」
身体は火照るが思考は冷静。
幸いグッチョリ寝汗をかいていたわけではないので、寝具は特に気にかける必要はなかった。
◇◆◇
「ふぃーさっぱり」
朝風呂なんていつぶりだろうか。
こうして慣れない事をすると新鮮だが違和感を覚える。
元々そういう生活習慣だったのなら何も感じなかったのだろうが、日本人にはなかなかそういった事をする人はいないのではないだろうか。
そうだ、風呂上がりには牛乳を飲もう。
朝という事もあってか、無性に牛乳を摂取したい気分だ。
それなりの長さがある黒髪を一気にドライヤーで乾かし、妹と共用の櫛で梳かしたらすぐに台所へと向かった。
カチリコトリと食器やら調理器具を働かせ、朝食作りに勤しむ妹がそこにはいた。
「おはようお姉ちゃん」
水玉のエプロン姿が子供らしさを強調していてなんと可愛いことか。
朝から良いものを見た。
「おはようはづき」
妹と一言交わし、冷蔵庫から牛乳の瓶を取り出す。
栓を開け、コップに注ぎ込む。
「朝からお風呂なんて珍しいね?」
「ああ、ちょっと汗をかいてな」
ジュウッとフライパンが音を発する。
「おっ?目玉焼きか。和風だなぁ」
「スクランブルエッグでもいいよ?」
首を振り、否定する。
皿に盛られたのは目玉焼きの他に、ウインナーとレタス。
トッピングに醤油をかけて完成。
そこへもう一品、ゆづきの好物である、豆腐と油揚げの味噌汁が登場した。
「いただきまーす」
今朝採れたての卵、新鮮なウインナー、ここらでは普通だが日本育ちのゆづき達にはそれだけでも最高級のものにさえ感じる。
「う〜ん美味しい〜」
素材に妹の手料理という付加価値が加わり、相変わらず素晴らしい朝食だ。
これで今日も頑張れる。
「お姉ちゃん今日は?」
咀嚼し、飲み込む。
「んと、そういえば何もなかったかな」
こうして朝のんびりとしていられるのは良いことなのだろう。
日本のサラリーマンの人々はきっとこの時間だと満員電車に揺られているはずだ。
「そうなんだ、じゃあさ、この前からやってるアクセサリー屋に行こうよ」
「アクセサリー屋……?ああ、行商のあれか。いいぞ」
確か、この村に行商しに来る人は非常に珍しいだなんて言われていたような。
「午後には家事終わらせるから、お姉ちゃんも頑張ってね」
「お、おうよ。任せな」
テーブルの中央のバスケットから最後のクロワッサンをつまみ取り、牛乳と共に胃に流し込んだ。
◇◆◇
朝の時間は穏やかに終わりを迎え、仕事の時間がやってきた。
草葉をかき分ける。
赤いキノコが生えていた。
「これは?」
「ええと……」
隣にいる少年に問うと、少年は分厚い本のページをせっせとめくり、止まる。
「えっと、食用というより薬とかに使うものみたい。味はしないけど食べられるって」
「へー」
キノコを引き抜き、カゴに入れ込んだ。
「持ってくの?」
「んまあ、誰か欲しかったら売れば良いだけだし、いらなかったら味付けて食えばいいし。持っといて損は無いんじゃない?」
「それもそうだね」
木漏れ日が少年を照らす。
ふんわりと、日本人らしからぬ明るい茶髪が目立ち、少女のような顔立ちが一層に際立っている。
本人はあまり気にしている様子は無いのだが、これはいわゆる『男の娘』というものなのだ。
「ん、どうかした?」
「いや、実はたまきって男じゃないんじゃないかと思って」
見つめるゆづきから目線を逸らし、たまきはしゃがんで草をいじり始めた。
「いや、僕も外見の自覚はあるけど、ちゃんと男だから。うん」
「へー」
バスケットのキノコを一瞥。
特に意味は無い。
たまきの姓は『七瀬』という。
七瀬たまき。
彼とは幼少の頃に仲が良く、約十年ぶりの再会を果たしたにも関わらず男らしさは微塵も感じられず、むしろ女性寄りになってないかと思ってしまった事があった。
「なんつうか、誰に訊いてもたまきは女にしか見えないとか言われてるし、アニメとかでは自分が女性ってことを隠して男だって言い張ってるやつもいるくらいだから。な?」
「な?じゃないでしょう!あくまでアニメの話なんだから現実と混同しないでよ!?」
しかしそう言われても、現実の目の前にこんな絵に描いたような男の娘がいたのならそう考えてしまうのは別におかしくない。
これを否定する方が難しいくらいだ。
「いいじゃんかよぉ、もしたまきがガチムキのゴリラとかだったらあたしも友好的にはなれないんだからさあ」
「ガチムキって……」
ガチムキでなくても、実はゆづきは男性が苦手なので、こうして身近にいるのが男の娘というのは割と男性慣れする良い機会であり材料なのだ。
それに幼馴染なので気を張らなくて良いという点も魅力的だ。
「さて、無駄話はこれくらいにしてだな、次はどうする?」
たまきはズボンのポケットからメモを取り出した。
「キノコよし、山菜よし、木の実……がまだだったね」
「ん、じゃあそれ採って帰るか」
「うん」
たまきは地面に置いていた本を抱え、先導するゆづきの後を追う。
◇◆◇
先程とは打って変わって、小川のせせらぎが聞こえる森の浅部。
日本でよくテレビで観ていた山の風景にそっくりなものが目の前に広がっている。
少しばかり奥に来てしまったかもしれない。
「……あった!」
たまきがようやく目的のものを見つけ出したらしい。
ここまで来るのに長かった気がする。距離的にも時間的にも。
まだ正午の鐘が聞こえてこないことから、きっと大した時間は経過していないのだろう。
もうさっさと帰ってはづきの相手をしてやりたい。
コロコロと手のひらから、鮮やかに色づいた小さな木の実をバスケットに入れるとたまきは踵を返さず、そのまま小川の方へ歩いていった。
「たまき?終わったんなら早く帰ろう」
少し距離の空いたたまきに語りかけるが、なにやらもったいぶったような表情をしている。
「少し……この景色を見ていかない?」
いつからロマンチストになったのか、柄にもなくそんな事を言い始める。
「でも時間が……」
「今は10時半。嫌だったら大丈夫だよ」
首に下げていた懐中時計を眺めてそんな事を言う。
別に嫌ではないが時間の懸念があったので難色を示していたが、まだそんな時間だったのなら特に急ぐ必要ないはずだ。
「ううん、いいぞ」
ゆづきも小川に歩んだ。
灰色に乾いた巨岩に二人で座り、荷物はそばに置いた。
キラキラと輝く澄んだ小川の流れ。
今は眺めているだけだが、身を乗り出して覗き込んだらきっと多くの生き物が生息しているのだろう。
「……ねえ」
こんな昼間からえらくしんみりとした空気だった。
まるで今から衝撃的な告白でも始めようと言わんばかりだ。
「もう、ここでの生活には慣れた?」
「それなりには。ね」
衝撃的な告白では無かったようだ。
チチチピヨピヨと小鳥がさえずる。
遠くの水辺では鹿のような動物が数体、水面に顔をつけて小さな舌で水分補給をしていた。
「ここは良い所だよな。学校が無くて、社会の目が無くて。……でもゲームが無かったり仕事をしたりするのはちょっと嫌だ。なにより、世話になってたいとこの家の人達にもう会えないのかもって思うと心残りというか、そういうのはある」
「うん。確かにそうだね。僕も……」
たまきは言葉に詰まった。
「僕は、あの夜にもう二度と誰にも会えない。ここで死んでしまうんだって思ってた」
あの夜というのは数ヶ月前、深夜の七瀬家に泥棒が侵入した事件のことだ。
後の報道などは一切聞いていないので、これはゆづきが直接たまきから訊いた話なのだ。
――深い夜、たまきは甲高い悲鳴で目が覚めた。
それは母のものだった。
時同じくして、父の叫ぶ声ともう一つの声が響くのに気づいた。
『ドタバタ』など可愛いものではない。
ガラスが盛大に割れる音、大きな物が容赦なく倒れる音、悲鳴と怒号と破壊音が一瞬で家の中を支配した。
ただ事ではないと察したたまきは、一人で自室にいる妹に寄り添おうとこっそりと部屋を出た。
だがしかしその時には家の全てが静まり返っていた。
出会い頭にぶつかった黒い服の男。
そいつは妹の部屋から姿を現していた。
一瞬の静寂も許さんとばかりに男は躊躇いなくたまきを蹴り飛ばした。
そして馬乗りになり身動きを封じ、胸元めがけて両手に握った包丁を振り下ろした。
これでたまきの記憶は最後だったらしい。
「常々思うんだけど、なんで生きてんの?」
「そんな失礼な……」
たまきはガックリと肩を落とす。
「さっきも言ったけど僕は死を覚悟したんだよ。でもなぜか目が覚めて、それからはゆづきちゃんと同じだよ」
「ううむ……何度聞いても不思議だなぁ」
死に際で記憶が途切れ、次に目覚めたら知らないところにいたなんて、ファンタジーか何かなのかと思ってしまう。
一応他人事ではないが。
「ヨーロッパ辺りだよね。人の雰囲気とか街並みがそれらしいし」
「否定はしない。でも文明レベル的にこれは中世。そう、この手の展開にありがちな中世西洋だとあたしは思うな」
◇◆◇
さて、事の顛末を説明しよう。
黒宮ゆづきは何もない平穏な日、いつも通りに眠りについた。
明日もまた面倒な学校がある。
それだけで億劫だった。
ついこの前まで心が沈んでいてやや不登校ぎみだっただけに、なんだか気まずいのだ。
そういえば、宮本家にいた頃の学校でもこんな事があったなと思う。
そこからはもう転校して、故郷の学校へと転入してきたわけだが。
黒宮家と七瀬家は隣家である。
友達が少ないゆづきが誰かと外出する場合には、いつもはづきかたまきかその妹と一緒だった。
それほどには仲が良いのだ。
深夜、ゆづきは安らかに眠っていた。
まだ肌寒い春先の夜に、腹を出してよだれを垂らして、まるでこの世の苦しみから解放されたかのような緩んだ顔で。
突然の浮遊感がゆづきを襲った。
地震かと思ったが、携帯電話から緊急速報の着信が鳴らなかった。
第一、ゆづきはベッドから転げ落ち、何も確認できなかったのだ。
地震ではない、されど空間は揺れ動く。
なぜなのか、揺れが長くなるにつれて意識が朦朧としてきた。
眠い時みたいに瞼が酷く重たい。
必死に意識を繋ぎとめても気を抜けばふとした瞬間に途切れてしまう。
コトリコトリ、卓上の物が動く。
パタン。と眼前に落ちてきたのは読みかけのライトノベル。
それは気にかけている場合ではないと、顔を反対に向けて無視をする。しかし……
ゴトッ。嫌な音と予感がした。
立ち込めるコーヒーの香り。
そういえば寝る前に全部飲みきれなくてそのままにしていたっけ。
振り向けば惨劇。
ラノベとコーヒーが合体しているではないか。
表紙には茶色い水滴が、本そのものはもう目も当てられないほど酷い。
「あー!うそだ!うそだと言ってくれぇ!」
ゆづきの意識は死んだラノベへと向いた。
そこで待っていましたと言わんばかりに意識は刈り取られた。
なんの躊躇いもなく、ゆづきは糸の切れた人形に成り果てた。
――それからしばらくして床で目覚めた。
今は朝で、なんだかモヤモヤするが昨晩はどうやらただ眠たかっただけのようだと結論する。
しかしてラノベとコーヒーは未だくっついたまま。
カーペットもシミになり、とにかく散々だ。
ため息を吐き、カーテンを開ける。
白い朝日が眩しい。
伸びをして、コーヒーを避けて一階へ降りる。その途中、玄関より話し声。というよりどよめきが聞こえてきた。
何事かと見てみると、地味な服装の見知らぬ人々が玄関先に押し寄せているではないか。
そしてそこでははづきが数人に絡まれていた。
はづきの元へ行き見知らぬ人に説明を求めたが、説明をしてもらいたいのはこっちだと叱られた。
困惑する姉妹。
「ここは日本のここで……」
「知らない」
そんなバカな話があるか。
自分たちがどこにいるのか分からないなんて頭がおかしいとしか言いようがない。
しかもこんな大勢で。
仕方がないので自室へ戻り携帯電話の地図を開いて見せようとした。
しかしどうだろうか、画面の上隅に『圏外』の二文字。
これでは説明ができない。
こんな時に論より証拠という言葉を思い出した。
窓の外では花に囲まれた隣家の七瀬家にも人が押し寄せているのが見えた。
お互い大変だなあと思いつつ踵を返す、いや待て様子がおかしいと、窓の外を二度見する。
風に乗って花びらが舞っていた。
それは良いのだがこの家どころか、見渡す限り全ての周囲が花畑になっていた。
あまりの現実離れした光景に開いた口が塞がらなかった。
ここは自分の知っている地ではないと、一瞬で確信した。
なので説明を諦めて、玄関先の人々に話した。
「朝起きたら家ごと知らない場所にいました」
誰もが首を傾げた。
――それから三ヶ月。
今では状況整理もひと段落つき、非日常たる日常を謳歌している。
ではひとまず整理した情報を確認しよう。
どうやらここは帝国領の『シマン村』という地らしい。
もはやこれだけで材料としては充分なので言ってしまうと、この世界は今までゆづきの暮らしていた世界ではない。
崩して言えば『異世界』というものだ。
異世界とは読んで字のごとく、異なる世界。
つまり、自分の認識する世界を現世と称するのなら文明や文化に留まらず、概念すら相違している可能性がある世界の事だ。
ちなみに異世界というのは確定情報ではないのだが、現世において帝国など存在しなかったわけなので消去法でその結論に至っただけだ。
そして文化と文明。
先程ゆづきとたまきの会話において再確認されたのが、この世界は中世西洋という事だ。
これは衣と住から導き出せた。
中世西洋がおおよそ小説やアニメと言った二次元で構成された架空の設定だとしても、それらに準ずるものが多数存在していた。
きっとゆづきが二次元文化に詳しくなかったらこの事実に辿り着くまでに長い時間をかけていた事だろう。
最後に概念。
現世の二次元文化において重要性の大部分を占めていた要素でもある『魔法』。
どれだけ進化を重ねても決して人類が到達出来ない概念。
科学や技術や才能ではない。
人類がいくらその力の存在を望もうと、人はおろか動物にも与えられなかったもの。
一言で言えば夢。
得られぬ力を夢見た人類は架空の世界にそれを映し出した。
それがすなわち二次元である。
創られなかったのなら作れば良い。
そうして魔法という概念は世界へ広まっていた。
そうでなくても、現世の大昔には黒魔術やら魔女と言った半ば迷信じみたものもあったらしいが、それはまた別の話である。
かくしてその夢の力がこの異世界には存在する。
ゆづきがこれまで蓄積した魔法学(ラノベやアニメの受け売り)が都合よく通用するのなら。
そして、異世界転移という事象を経た自分たちがこの世界において特別な存在だという事だとしたら。
これはきっと主人公格に足る力を有しているのではないか?
いつどう使うのかは知らないが、魔法等の異能力が使えるのなら使ってみたいものだ。
この三ヶ月間、試行錯誤はしたもののコツどころか発動すらしなかった。
まさか才能が無いなんて事は無いと信じたいが。
続いて地理だ。
先程少し触れたが、ここはウェアリクト帝国という国で、その東に位置するシマン村という場所だ。
世界情勢など知りもしないので、他国との関係や流通も理解していない。
世界地図があれば現世との比較もできたのだが、今のところあいにく帝都にしかないという事なのでろくな情報がない。
衣食住だと、服装は想像通りで、いかにも中世西洋ですよと言いたげなものである。
食は妙に発達しており、洋食が中心であるにも関わらず、味噌や醤油といった大豆を加工する調味料の存在が確認できた。
住まいは木組みや石造りがほとんどで、こう言ってしまっては本当に悪いのだが、どこかボロい印象を受けてしまいがちだ。だがそこには風情があって良いとも言える。
このシマン村には名物の花畑があるのだという。
面積はかなり広く、村の子供たちの遊び場にもなっているのだとか。
そんな素敵な場所に建ち並ぶ不自然な住居が二棟。
木組みや石造りではない。
村の人々からすれば、見たことのない建築様式が放つ異質さは語るまでもない。
そして名物である花畑のど真ん中に突然堂々と家が建ち、その家主が頭を抱えているようだったら村の人も頭を抱えざるを得ないだろう。
初めは憤りを感じている人も少なくはなかったが、ゆづきとたまきの必死な説得により、黒宮家と七瀬家は無事にこの村の一員として迎えられたのだった。
そのかわりとして、未知の文化を知らせたりした。
主に大工にだが、家の隅々まで漁られた。
時には床を剥がそうになり、窓を持っていかれそうにもなった。
悪気があってそうしていたのではないのは知っている。だから逆に礼を貰ったりした。
現世の建築ではガスや電気が生活に欠かせない。
それを補填するためにと渡されたのが、複数の小さな輝石だった。
それには微弱な魔法式が込められているらしく、使用者が輝石に魔力を込めることにより能力を発せさせることが出来る代物だ。
魔力というのは踏ん張れば出て来るもの。という感覚に近く、誤ってお尻に力を入れてしまうと危険な状態になってしまう。
輝石は例えば火を出したりあるいは水、電気、風等々、なんでもござれというわけではないのだが、これで最低限の生活は守られたという事になった。
――初めは本当に気苦労の絶えない異世界生活だったが、今は大分馴染めてきている。
もし現世に帰れるのだとしたら、当然帰りたいとは思う。
新作のゲームやアニメが恋しい。
魔法を取るか二次元を取るかは難しい問いだ。
しかし、二度と現世には帰れない可能性だってある。
仮にこの世界がゲームのようなもので、ゆづき達が異世界に来たのは魔王を倒すためだという目的を背負っているのならまだ良いのだが、ただ特に理由無しに異世界転移などあまり考えたくない展開だ。
――ここまで現状をまとめたが、異世界生活も案外悪くは無いものである。
見たことのない現象や生き物に出会ったり、それはなんだか小さな子供が大きな冒険をしているように胸が踊る。
ただ、せっかく異世界転移をしたのなら少しばかりイベントに遭遇したい。
平和なのは良いことだが、退屈なのは望ましくないから。
ゆづきはいつも心のどこかで思っている。
『なにか面白い事ないかな』と。
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