第5話 幼馴染のクリスマス(上)
「メリークリスマス!」
朝っぱらから元気のいいことで。
いつものように玄関から入るのではなく、なぜか窓から家に入ってきた流季。
「おい、窓からは危ないってさんざん怒られただろ」
「メリークリスマス!」
あぁ、聞く気はないようだ。
「はいはい、メリークリスマス。それでどうしたんだ?」
「はい」
「おぉ、さんきゅ」
珍しいな。だいたい夜に渡しに来るのに。
「ほい、クリスマスプレゼント」
「さんきゅー」
毎年こうやってプレゼントを交換している。
昔からだ。
そのまま部屋に居座るかと思いきや、さっさと出ていく流季。
「じゃあね!」
「お、おう」
なんだったんだ……?
結局その日は流季に会うことはなかった。
夜になり、夕食を済ませ、クリスマスケーキを食べる。
甘い物がそろそろキツくなってきた両親(はっきりとは言わないが、まぁ…きっとそうだろう)に代わってホールケーキの4分の3を食べる。
僕も甘い物は結構好きなのでこれくらいは平気だ。
ただ……来年からはホールはやめようと、去年までは3分の1を食べていた両親に伝えようと思う。
そんなこんなでもうクリスマスも終わり。
両親からのクリスマスプレゼントは現金だった。
中学生くらいから現金へと移行した。
あぁ……ラジコンとかプラモデルとかを買ってもらってた頃が懐かしい。
そういえば流季からのプレゼントはなんだったっけ?
まだ見てなかったな。
小さめの箱から出てきたのは……現金。
……
そうか……俺たちはもうそんな歳になったのか……。
ちなみに俺からはお菓子の詰め合わせだった。
こっちもそろそろ変えたほうがいいのかもしれない。
眠くなってきたのでそろそろ寝ることにする。
まだ10時か……。
まぁ、いいや。
おやすみ。
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