第5話 芸能事務所のプロデューサー
「い、い、いらっしゃいませ。」
渋子は昼に撮影が終わって体がボロボロなのに、その日の夜もキャバクラで働かされていた。これが東京の夜のお仕事の現実である。もう渋子は逃げることはできない。「映像をバラ撒くぞ!」と脅されるからだ。警察に行っても、民事不介入で警察は何もしてくれないので役に立たない。
「おおー!? カワイイ! 名前は何て言うの?」
「し、し、渋子です。」
渋子は、二日酔いの性もあり思考力がゼロであり、まるで麻薬を体内に注射されたみたいにフラフラして、今の自分に何が起こっているのか、まったく理解できていない。ただ悪い男たちの言いなり人形である。
「いいね! 渋子ちゃん! アイドルにならない?」
「あ、あ、アイドルになりたいです。」
渋子の意識は朦朧としている。
「あのプロデューサー、渋子ちゃんのAV撮影は今日終わった所なんですよ。」
「そうなの? じゃあ、その撮影したビデオは廃棄して。」
「ええー!? それは困りますよ!? 撮影にお金かかっているんですから!?」
「なに? 俺の言うことが聞けないのか?」
急に優しかった芸能プロデューサーがヤクザな喋り方になる。
「この前、トップアイドルの女をAV女優にしてやっただろ? いっぱい儲けさせてやったじゃねえかよ! おまえ、俺に歯向かうのなら、コンクリートに沈めるぞ!」
テレビ局や芸能事務所。儲かるので夜のお仕事やヤクザ関係が入り込んでいるのも事実である。表に出てこないだけで常識である。
「分かりました! 親分! 渋子ちゃんのAVは全て廃棄します!」
「それでいい。ネットに出も流出したら、命はないと思えよ!」
「はい!? どうかお許しください!?」
こうして渋子はアイドル・AV女優にならなかった。
「渋子ちゃんはラッキーだね。人気アイドルグループのプロデューサーの俺と知り合いになれて良かったね。」
「あ、あ、ありがとうございます。」
「おい! おまえら! 渋子ちゃんに麻薬はやってないんだろうな?」
「やってません!」
「それなら、いい。タクシーを呼べ。渋子ちゃんは俺のマンションに運ぶぞ。」
「はい! すぐに!」
こうして渋子は、人気トップアイドルグループの芸能プロデューサーと一夜を共にする。ちなみに人気トップアイドルグループのメンバー全員は芸能プロデューサーと肉体関係を持ち従順に調教されている。それが人気トップアイドルグループの加入条件だ。これが東京の芸能界だ。怖いから素人はアイドルにならずに普通に田舎で暮らそう。
つづく。
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