第3話 夜のアイドル
「ここだよ!」
「おおー!? 煌びやかに輝いている! まさにアイドル!?」
看板には、ソープランド・アイドルと店の名前が書いてあった。
「行って、アイドルになってこい!」
「はい! 行ってきます! これで私もアイドルだわ!」
渋子は店の中に入っていった。
「こらー!? 私はソープ嬢じゃない!? 私がなりたいのはアイドルだ!」
少しして渋子が出てきて怒っていた。
「なら、ここはどうだ?」
「おおー!? これはお姫様が住む様な煌びやかなお城! まさにアイドルの住むお城ね!?」
看板には、ラブホテル・アイドルと建物の名前が書いてあった。
「行って、プリンセス・アイドルになってこい!」
「はい! 行ってきます! これで私もプリンセス・アイドルだわ!」
渋子は建物の中に入っていった。
「こらー!? 私はデリヘル嬢じゃない!? 私がなりたいのはアイドルだ!」
少しして渋子が怒って出てきた。
「ここはどうだ?」
「おおー!? 煌びやかなお部屋だわ! ステージもある! まさにアイドルのお店ね!」
看板には、ストリップ・アイドルと店の名前が書いてあった。
「行って、ステージ・アイドルになってこい!」
「はい! 行ってきます! これで私も歌って踊れるアイドルね!」
渋子は建物の中に入っていった。
「こらー!? 私はストリップ嬢じゃない!? 私がなりたいのはアイドルだ!」
少しして渋子が怒って出てきた。
「困ったな。渋子は家出少女でしょ? どこに住むの? 住むとこあるの?」
「ない。」
スカウトのチャラ男は渋子の弱みを突いてきた。
「住むところを用意してあげるから、せめてキャバクラか、クラブのホステスで働いてね。」
「でも、おっぱいパブとかは嫌よ!」
「はいはい。」
渋子は渋々だが住まいと引き換えに夜の蝶でアルバイトをすることになった。
「ちょろいね。最初にきつい仕事を見せとけば、簡単にキャバクラやホステスになることはOKするんだもんね。最大の弱点は住むところがない。渋子は、こっちのいいなりじゃん。」
田舎者の純粋な子は、東京で住むところを決めてから東京に来よう。東京はかなり危険である。住所の無い家出少女はホームレスと同じ。生活保護も受けれないから田舎に帰った方が良い。
「新人さん入りました! アイドル志望の渋子ちゃんです!」
「初めまして、渋子です。」
田舎者の渋子は、キャバクラの煌びやかなドレスを着て喜んでいるのであった。これも都会を知らない田舎者の悲しいサガである。
つづく。
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