第2話 男児誕生 2

 一方、光の力を持つ男児が誕生した後に周囲に次々と奇跡が続出している。目が見えないものが見えるようになり、身体中イボだらけの者はイボがとれ綺麗な肌となった。男児の周囲はなんとも言えない高貴な雰囲気と光が輝き近づくものは皆幸福感に満たされ彼に膝まずいた。

 母親のテラは、産後だというのにもう体が回復して男児に授乳したり、服を着せたりと動いている。

 そこへ、村の長老と千里眼を持つ使者が現れる。

 「先程私のところに使者が来た。皆、よく聞きなさい。」

 村のものが皆、長老と使者のもとへ集まる。

 「私は東の村を救うべくやって来た。西より闇の力が強まり、多くの兵が東に向かい攻めて来ている。その途中、村の男児を一人残らず殺している。やがて兵はここにも来るだろう。私の千里眼は光の力を持つ男児を殺しにやって来ると告げている。家の戸に羊の血を塗りなさい。魔除けとなり闇から守られることだろう。」そう言い終わると先を急ぐと言って使者は馬に乗りさらに東へ走り去っていった。

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