第6話 好印象を与えるテクニック



祐一


「恋愛戦争の世界に旅立った駆け出し勇者に


 恋愛戦争で戦うための武器を授けよう」




「武器…ですか…?」



祐一


「つまりは、女の子から好感度をもらいやすいテクニックだ」




「え!そんなテクニックがあるんですか!?」



祐一


「あるぞ、しかもそんな難しくはない


 誰にだってできる内容だ」




「ぜひとも教えてください!知りたいです!!」



祐一


「彰、キミは女の子と上手く話せないだろう?」




「はい…コミュ障すぎて上手く話せないことが多いです」


「何を話していいかわからなくて…」



祐一


「そんなコミュ障にオススメなのは


『聞き上手』になることだ」




「聞き上手…ですか?」



祐一


「ああ、女の子ってのは話すのが大好きな生き物なんだ」


「自分の話しを上手に聞いてくれる人と一緒にいると


 とてもうれしい気持ちになるものなんだ」




「話を…上手に聞く?」



祐一


「まず、下手な聞き方をする持てない男は


 女の子の悩みや愚痴に対して


 すぐ、アドバイスしようとしてしまう」




「アドバイスしてあげるって相手のことを思ってのことだし良い事じゃないですか」



祐一


「それは違うぞ、


 女の子は別にアドバイスを求めて話をしてこない」


「共感してほしいから話すんだ」




「共感…ですか…?」



祐一


「そう、否定せず、共感することで


 女心を刺激することができるんだ」


「そして、話を聞いている時にも


 ちょっとした仕草で更に好感度を上げることができる」




「何をするんですか!?」



祐一


「まずは鸚鵡返し(おうむがえし)だ」




「同じことばを使って返事する…でしたっけ?」



祐一


「その通りだ」



(例1)


女「こないだディズニー行ってきたんだけどさ!」


男「へぇ!そうなんだー!」



(例2)


女「こないだディズニー行ってきたんだけどさ!」


男「へぇ!ディズニー行ってきたんだ!」



祐一


「例1と例2で、どっちの方が会話が楽しそうに見える?」




「これは、例2ですね!」


「例1はそっけない感じがします」



祐一


「鸚鵡返しをしながら相手の話しを聞くと


『アナタの話しをちゃんと聞いてます』感が増すから


 話している側は心地よさを感じるようになるんだ」




「なるほど…そういうテクニックなんですね!」



祐一


「そして、ミラーリングも大事だ」




「鏡…?」



祐一


「そう、鏡のように


 相手と同じ仕草やテンションで聞くこと」




「うーん、どういうことですか?」



祐一


「例えば、相手がドリンクを飲む時


 同じタイミングでドリンクを飲んで


 コップを置くタイミングも合わせる…とか」


「声の高さ、テンポ、仕草をシンクロさせる感じだ」




「なるほど、相手をマネる感じっすね!」



祐一


「その通り、心理学的に有効な手段だし


 相手を良ーく見れば誰にでもできる簡単なテクニックだ」




「たしかに、これなら僕にもできそうです!」



祐一


「他には褒め上手になるという武器もある」




「『可愛いね!』とか言えばいいですかね?」




「SNSにSNOWの写メ載せりゃ、ワンチャン狙いの男が


寄ってたかって『可愛い!』って言うから、


それだけじゃ印象が薄くなる」




「どんな風に褒めると効果的なんでしょうか?」



祐一


「ただ可愛いと言うのではなく、


 中身や行動、女の子変化、センスを褒めること」



(例)


・髪型変えた?似合ってるね!


・今日のファッションセンス良いね!


・メニュー取ってくれてありがとう!優しいね!



祐一


「このように、中身・行動・変化・センスを褒めることで


 有象無象の出会い厨より印象に残りやすくなる」




「なるほど、参考になります!」



祐一


「ちょっとディスってから褒めるのも効果的だ」



(例)


・〇〇ちゃんって第一印象ダラしないイメージあったけど


 絡んでみたらメチャクチャしっかりとしてるよな笑




「ギャップってやつっすね!」



祐一


「大半の女の子は軽くイジられるのもギャップも大好きだから


 それを利用しない手はない」




「ですね!」



祐一


「労いの言葉も効果的だぞ」




「というと?」



祐一


「例えば、女の子が愚痴を吐き出してる時に」



〇〇なんだ、大変じゃない?がんばってるんだね!



「こんな風に労うだけで救われた気持ちになるんだ」




「なるほど!」



祐一


「モテない男ってのは


 自分も辛いアピールをしてしまって


 女の子を労うという気配りが足りないことが多い」




「身に覚え…あります…」



祐一


「こっちが共感し、労う側になることで


 一緒にいて心地良い相手と錯覚させる幻影魔法をかける」


「それが恋愛戦争を戦うコツだ」




「そういうテクニックって


 知ってる人と知らない人で差がすごい出そうですね…」

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