第5話 軽くなれ



祐一


「これまで、中身と見た目の雰囲気を変える方法を教えた」


「次に必要なのは女の子にアタックしてみることだ」




「いよいよ実践ですか!」


「あ…でも僕、今は好きな人いないし


 好きな人見つけるまではアタックできないっすね!」



祐一


「何を言っている、今日からアタックするんだ」




「え?好きな人でもないのにアタックするとか…


 一途じゃないのはおかしいですよ」



祐一


「そういう純情さを持ち続けてる姿勢…懐かしいよ」


「だがな、男の純情さなんて恋愛戦争の負けフラグだぞ」




「ええええ、でも女の子だって一図が好きっていうじゃないですか?」



祐一


「『私、一途じゃなきゃ嫌だ』とか言ってる女子が


 本当に一途な男と付き合ったりセックスしてると思うか?」




「え、だって一図が好きなんだから


 優しい男、一途な男に惹かれるんじゃないですか?」



祐一


「女の子ってのは本音と建て前の差が大きい」


「女の子の発言をイチイチ鵜呑みにしても


 ただの良い人止まりにしかなれないぞ?」


「純情な男ってのは女に利用される側になりやすいんだ」




「どういうことですか?」



祐一


「ヤリチンに捨てられた話とか、


 DV彼氏の話しを聞かされるだけ聞かされるだけ聞かされて…」


「いざ、その子にアタックしようとする頃には


 すでに別のクズ男に取られちゃってる」


「一途に拘る女ほど、ヤリチンと付き合うし


 ヤリ捨てされまくってるのが現実だ」




「言われてみるとものすごく心当たりあります…」


「ツイッターでいつも彼氏のこと悪く言うくせに


 何だかんだいつまでも別れなかったり、


 すぐ別のクズ男とくっついたりってよく見かけます…」



祐一


「クズみたいな男は女を好き放題利用する」


「糞男に利用されてる女は純情な男を利用する」


「純情な男は利用されるだけで、恋愛に発展しない」


「純情な男ってのは食物連鎖の最下層になりやすいんだ」


「恋愛ってのは惚れた方が負けやすい、一途になった方が負けやすいんだ」




「なんだか…糞まみれな世界っすね…」



祐一


「その糞さを受け入れられるようになってこそ


 オイシイ思いができる異世界に行けるんだ」


「いつまでも甘ったるい気持ちのまま非モテの童貞で居続けたいか?」




「いえ…僕は変わりたいです!」



祐一


「よし、それなら一途な気持ちはいったん捨てよう」


「彼女をゲットした後で一途になればいい」


「まずは100人の女性にアタックしてみることだ」




「100人もですか!?」



祐一


「前も言ったが失敗を積み重ねることで


 改善点が分かってくるし経験値にもなる」


「それに100人にアタックすることで


 成功率1%の非モテ男でも彼女を作れる可能性が生まれる」




「分かりました…言われた通りやってみます!」



祐一


「これでLv1の駆け出し恋愛勇者が生まれたな」


「そんな君に、武器を授けよう」

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