第23話 『シャイニング ゲート』

 ライブハウスではユウキの追悼ライブのリハーサルが行われていた。



 俺はステージに上がりアツシからギターを受け取った。ユウキの形見のギターだ。



「何をする気なの。私は婚約パーティが」

 観客席にいる六人部むとべキララが泣きそうな声で叫んだ。



 クリスと刑事らがキララを取り囲んでいた。



「あン、今さら婚約パーティもねぇだろ」

 ヒデがドラムの前に座って怒鳴った。

 ベースはアツシだ。



「ここは『シャイニング ゲート』輝く未来への門だ。

 俺とユウキは夢を語りあった。

 出会った頃はと思っていた。

 いつか売れてを幸せにしようッて……」

 


「……」



「これは俺らとユウキのだ」

 サッと腕を上げ合図サインを送るとユウキの音源が流された。


 優しく哀しげなギターソロが奏でられた。


「ゴクッ」キララの咽喉のどが鳴った。



「聴いてくれ……

 『ラストソングは届かない』」

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