第15話 アツシ

 そのあとユウキのバンド『ル=シフェル』のリーダー アツシの元へおもむいた。

 アツシは亡くなったユウキの第一発見者でもある。


 彼の前で、『ラストソングは届かない』を掛けた。


「うゥン、これが」

「ああ、ユウキの最後の曲だ」


「フフ、いい曲だ」しみじみと聴いていた。


「ユウキの追悼ライブに、この曲をやろうと思うンだ……」

「うン、追悼ライブか……」


「そうだぜェ。クヨクヨしてたってユウキ君が生き返るワケじゃないしさ」

 ヒデが明るく笑った。


「派手にユウキを送り出してやろうぜ」

 俺も同意だ。


「ああ、そうだな」アツシも頷いた。

「ところで、このだけど……

 知ってるか」

 俺は六人部むとべキララの画像を見せた。


「いや知らないけど、このが」


「ああ、あの夜、ユウキの部屋でこの曲を聴いていた」

「なるほどユウキを殺したのも彼女かも知れないのか」

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