第12話 キララ

「やっぱ、売れないビジュアル系よりセレブ御曹司の方が良いよなァ」

 ヒデはけに訊いた。


「え、何の事ですか」

 完全にキララはとぼけるつもりだ。


「先日、深夜、山下さんから電話が掛かって来ましたよね」

「え、山下さん……」少し顔色が曇った。


「ええ、あなたがセレブ御曹司と婚約を発表した前夜ですよ」

「さァ、何の事ですか」

「フフ……、なるほどシラを切りますか」


「あの、何をおっしゃってるのか。全く意味が解らないンですけど……」


「ぶっちゃけ、ユウキ君と付き合ってたンじゃないのォ」

 ヒデが暴走ぎみに尋ねた。


「え、ユウキ君ッて、どなた❓」


「ル=シフェルのユウキだよ❗❗」

「ル、ルシフェル 何を言っているのですか」

 彼女は逃げるように地下の駐車場へ急いだ。


「待って下さいよ。六人部むとべさん」


「しつこいわねェ。警察を呼ぶわよ」

「フフ、警察ならここにいるわ」

 クリスが手を上げた。


「な、何なんですか❓」

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