第11話 六人部《むとべ》キララ

 青山のブティックで買い物をしている六人部むとべキララを見つけた。


 さすが警察だけある。この短時間でよく彼女を探し当てたモノだ。


 取り急ぎ調べると六人部むとべキララは先日、セレブ御曹司、一條家のご子息と婚約を発表したばかりだった。


 まるで女優のような美貌の持ち主だ。


六人部むとべさんですねェ」

 俺たちは店を出てきた彼女を呼び止めた。


「あら、あなたは❓」怪訝な顔をした。

「俺はビジュアル系弁護士のシンゴです」


「え、ビジュアル系弁護士……❓」

 少し警戒した。無理もない。

 こんなミュージシャンのようなカッコの弁護士は俺しかいない。


「私は警察のモノです」

 警戒をくためクリスは手帳を提示した。


「け、警察」だが一層、表情が強張こわばった。


六人部むとべさん、少しお話しを訊いて良いかしら」

「……」明らかに六人部むとべキララの顔色が曇った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る