第4話 ヒデ

「おいおい、冗談だろう。エイプリルフールじゃねぇ~ンだ。

 ふざけるのも大概にしろよ❗❗」

 ジョークにしてもひどすぎだ。



 急いでドアの内鍵を開けると待っていられず、向こうから勢いよくドアが開かれた。



「いッくら俺だって、こんな悪質な冗談言わねェ~よ❗」

 挨拶もせずに早口でヒデがまくし立てた。



 相変わらずサル顔だが表情は真剣そのものだ。冗談を言っている気配はない。



「な、マジか」ザワザワと胸騒ぎがした。


「ああ、さっき自宅で硫化水素を吸って」


「な、硫化水素」混ぜるな危険……

 自殺か。まさかユウキが。

 じゃ、誰かに……



 複雑な思いに俺は愕然として立ち尽くした。


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