第5話 ユウキ

 ユウキのアパートの前には多数のファンやマスコミが押し寄せていた。



 アラサーになると多くのミュージシャンは夢破れ、バンドは解散し他の道へシフトチェンジしていく。



 こうか不幸か、俺はセレブ一家ファミリーなので生活には困らない。



 おそらく幸せなのだろう。その分、ハングリーさが欠けた。



 だが、そんな俺でも三十歳を迎え世間体もあって、いつまでも売れないビジュアル系バンドをやってもいられない。



 数少ない同期のユウキにしても同じ事だ。



 しかし……



 俺とヒデはユウキのアパートへ入っていった。



「ン……❗❗」

 ドアの前にはミニスカートの美女が、こっちに大きな桃尻を向けていた。



 弾けそうなほどプリンプリンして、とても形が良い桃尻ヒップだ。



 ながめているだけで顔がほころんだ。


「ケッケケェ……😆🎶✨ 彼女ォ~✨💕

 良い桃尻ケツしてンじゃン……」

 ヒデもヨダレを垂らしそうな顔で指を差した。


「……😔💦」まったくお前ッてヤツは……



 もしユウキの親戚なら不謹慎極まりない。

 俺は咳払いをし彼女に声をかけた。



「あのォ、ユウキのご親戚の方ですか……」



「え……」彼女は眉をひそめ振り返った。



 殺人現場には不釣り合いなスタイリッシュな美女だ。


「ここは関係者以外立ち入り禁止よ」

 俺たちを見た瞬間、眉をひそめ美女が応えた。


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