Ⅳ 滅茶苦茶
「はーい、何か用ですかぁ?」
「用があったから呼んだんだろ。お前さ、ラシャ村にこいつらと一緒に行ってくれ。」
「はい!団長直々のご命令ならば!
って、おやおや?そこの青年君たちは入団したてホヤホヤかな?」
「あっ、はい!宜しく御願い致します!」
「いいよいいよ~。そんなにかしこまらなくて~。そんで、団長様はどういったご要望で?」
「こいつらのサポートをやってくれ。お前、
「かしこまりました!」
「んじゃ、いってら~。」
「よぉーし、私はラピス・ランス。よ~ろし~くね~!」
なんだか、楽しそうな
僕は、これからの生活に胸を弾ませた。
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「そういえば、ランス先輩の属性って何なんですか?」
アズが、箒に乗ってラシャ村に向かう途中、ランスに尋ねた。
「私は
色々あるんだよ~。」
「そうなんですね。」
『なあ、ちょっといいか?』
僕はアズにこっそり話し掛ける。
『なんだよ?』
『さっきのアジトにいた、凄くアピールしてくる…チェニ先輩って、何なんだろうな?』
『さぁ……。しかし、あれを見たときは背筋がぞっとしたよ…。』
「さぁさぁ、着きましたよ。」
ここが……。一瞬カイルは目を疑った。
辺り一面焼け野原。家もなく、畑は灰と化し、親を亡くした子ども達が至る所で泣き喚いている。
「なんと惨いことをするんだ…。」
「無駄口叩いてないで、早く作業する!」
「あっ、はい!」
「皆さーん!助けに来ましたよ~!」
ランスに急かされ、カイルとアズは急降下し、着地した。
「もしかして、
痩せ細った男性が僕らに尋ねた。
「ええ、そうですが。」
「おぉ、直々にありがとうございます!おい、助けが来たぞ!」
「やっと来てくれたのか!」
「もう見捨てられたかと思ったよ…。」
「これで元の生活に戻れるね!」
子どもたちは手を取り合い、大人は嬉し泣き。
「いつまでも喜んではいられませんよ!早く作業を開始してください!」
「でも、負傷者がこれだけいれば、どうすることもできませんよ。」
村人の一人が訴える。
「私に任せなさい!
ランスが叫ぶと同時に、ランス以外の体が光り、カイルとアズの周囲には、2人の女性が現れた。
「ななな、なんでシェルラがここに⁉」
アズは突然現れた「シェルラ」という女性に対して、慌てふためいている。
僕の近くにも、昔、好きだった女の子が視界に入った。
「リオン……。」
リオンはクスッと微笑むと、僕の周囲と
「……あれ?魔力が回復してる…。」
「そう!これは昔恋した子が自分の心身を回復させてくれる魔法なんです‼」
「なんか滅茶苦茶な魔法ですね!」
アズがツッコミを入れる。
「じゃあ、あの石は?」
僕が村人たちが乗っている巨大な赤みのある水晶を指差すと、「あれはね、ガーデ
ンクオーツ。心身を回復させたり、危険を回避したり、ポジティブにさせる効果がある石ですよ。」
と、説明してくれた。
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