Ⅱ 仲間
「さあ、手続きも終わったことだし、入団する
人にすれ違うたびに、都心に住む人々や
「おい、法王が下民と共に歩いているぞ…。」
「何か無礼な事をしでかしたのか…。」
時には
「法王陛下!ご乱心されたのですか⁉共に下民どもと歩くとは…」
「彼は
僕に話しかけた時と口調は同じだけど、顔が怖く見える。
国王はこの国の民全員から認められた者だから、このようなことだってできる。
…ほんの少し、国王陛下が恐ろしく思えた。
「さあ、着いたよ。ここが
見た感じ、アジトは、4階建てのやや古めのコンクリート造りの建物。壁の至る所には苔や蔦が生えている。
扉を押すと年季の入った蝶番が悲鳴を上げる。
「やあ、連れて来たよ。」
中には
「おう、連れてきてくれましたか、法王。」
法王……?
「あの、貴方様は国王陛下ではないのですか?」
「いや、僕は、
「……その通りです…。」
「アハハ、大丈夫。誰にでも間違いはあるさ。エリア、クロ団長には話してくれた?」
「ええ、頼んでおきましたよ。お兄さん」
「じゃあ、よろしく頼むよ。クロ」
「はいはい。承知しました」
グローバー法王とエリア、と呼ばれる女性はアジトを颯爽と出ていく。
「俺、クロ・ヤスヒロ。ここの団長だ。よろしくな、新入り。」
クロ団長は20代後半くらいの顔だが、襟付きシャツの第1ボタンを外してあり、五分丈ズボンでローブを羽織っている軽装だが、言葉遣いが何かと荒い。
「よっす、俺、フィーア・ラクセル。
「アンタ引っ込んでなさい。私、リリス・チェニ。よろしくね~、可愛い子ちゃん♥♥♥」
熱い投げキッスをかわしながら、「他にも新規入団員がいるんですか?」と尋ねた。
「ああ、いるな。お前と同じスカウトで。」
また入り口の扉がきしむ音がした。
「よお、よく来たな。ここがお前のアジトだ。」
入り口から入射する光に眼がくらんでしまう。
扉が閉まる音と共に瞼を開けると―
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます