日本は本当に豊かになったと言えるのだろうか

 さて、”前”と違ってプラザ合意などがなくなったことで、土地バブルや財テクブームは発生していないとはいえ工場の海外移転が少なくなっていることもあって地価の上昇自体はそれなりに起きている。


 そして日本が豊かな国だという認識から東南アジアや東欧などの若い女性が日本でのフィリピンパブやロシアンパブで働くために日本へ来るケースもやはり増えているし、1965年に日本と国交を正常化した韓国へ70年代前半までは日本人が買春のために訪れ、70年代後半からは80年代には東南アジアの特にタイとフィリピンがその舞台となった。


 しかもそういった国の売春宿では、なんとそこでは10歳にも満たない児童にまで客を取らせていて、当然それを買う男性には日本人を含んでいたりする。


 日本国内では85年に誕生して瞬く間に全国化したテレクラが実質的な売春の斡旋場所となり女子高生や女子大生が「お小遣い」のために体を売ったりするようになった。


 そういった援助交際は携帯での伝言板、出会い系サイトからSNSでのパパ活と媒体を変えて後々まで続いていくわけだが、まず70年代後半から80年代前半に女子大生について、80年代半ば以降には女子高生に対してテレビや雑誌などのメディアを通じて、成人男性が彼女らを性の対象にすることが普通だったり、十代女子が金銭を受け取って年配の男性と付き合うのはライフスタイルの一種であること、というのを広めたというのが大きい。


 そして意外に思えるだろうが援交やブルセラ、パパ活の担い手が最初は学校やクラス内の“金銭的に裕福でカーストが高い女子”から“経済的に困窮していたり、精神的に病んだ女性たち”へと変わっていっているのでもある。


 これにはそれなりに理由があり家が裕福で携帯電話などを早い時期から持てるような家庭の女の子のほうがそういったものが存在するという情報を入手しやすいからだな。


 まあうちの学校は都心から離れてることもあってそういうことをやってる女の子はいても少ないとは思うけど。


 高校生がヴィトンだのエルメスだのを持ち歩いてたりするが親からもらったりするのならともかく体を売ってまで手に入れるものなのかと俺は思ったりするが。


 まあ、この手の問題は日本をやり玉に上げる欧米のほうがもっと深刻だったりするんだけどな。


 金が手に入ったからと大金はたいて買うのは少女だったり、ブランド品だったりするのは果たして豊かになったと言えるのだろうか?


 無論幕末から戦前にかけて日本から東アジアや東南アジアに売られて、娼婦として働いた日本人女性の”唐行きさん”の時代よりは金銭的には豊かになったとは言えるのだろうけどな。

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