国旗や国歌の問題は難しいのだが強制されるべきものではないと思う

 8月7日 - 臨教審最終答申で国歌・国旗尊重提唱。


 日本における国旗・国歌問題はやや複雑である。


 平成11年(1999年)8月13日に公布、即日施行された国旗及び国歌に関する法律により正式に制定されたがそれ以前は正式なものでなかったのだ。


 特に国歌問題はかなり微妙で日本における君が代に代わる国歌制定運動として第二次世界大戦後の1950年代初頭、日本教職員組合と壽屋(現:サントリー)がそれぞれ募集し、別々に「新国民歌」を選定し公表した。


 日本教職員組合が「緑の山河」、壽屋が「われら愛す」という楽曲をそれぞれ選出したが、その後、これらの曲は、いずれも定着までには至らなかった。


 これは西ドイツ、後のドイツ連邦共和国でも同様でドイツの歌の1番はナチスドイツも利用したこともあって3番のみを公式とすることを確定したが、ヴァイマル共和国時代に正式に国歌として採用されたものをそのまま利用している。


 西ドイツではナチス・ドイツ時代に使用されたこの国歌を引き継ぐのに抵抗を感じ、全く新しい国歌を制定しようとする試みがあったが、国民から受け入れられず、西ドイツがオリンピックに復帰するに当たり、偶然にも3番の歌詞が東西に分断された祖国の統一を願う詩として最適と言うことになり、1952年に3番を歌詞として、再び正式に国歌と決められた。


 日本では逆に君が代自体は礼式曲としては明治時代には成立していたが正式な国歌ではなく、主権回復後の昭和33年(1958年)の学習指導要領に「儀式など行う場合には国旗を掲揚し、君が代を斉唱することが望ましい」と記載されたことなどから、学校で再び日の丸掲揚・君が代斉唱が行われるようになったが、これに反対する日本教職員組合等との対立が始まった。


 法的には国家としての根拠がないことから現状では裁判で揉めているところだったりもする。


 なおアメリカ・イギリス・フランスなどの諸外国ではでは、学校のみならず、国民が集まるイベントや集会、スポーツイベントなどの際に、 国歌斉唱、国旗敬礼、宣誓の言葉を述べることが多いが、学校行事では国歌斉唱は義務付けられているわけではないので個人的には国旗掲揚や国歌斉唱の強要はどうかとは思うけど、国旗や国歌を尊重する精神は育むべきだと思う。


 忠誠心という物は強制・強要されるものではなく自然と育まれるべきものであるのだから。

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