技術の日三は安心安全で運転が楽しいの日三に変わりつつあるぞ
さて、日三自動車の再生のためのイメチェンは少しずつ進んできている。
社内での権力闘争に終始していた経営陣や労使関係者は首にして、足の引っ張り合いをする組織構造そのものをぶち壊し、内向きの組織風土に風穴をあけた。
三点保持で事故時に体へのダメージが少なくなる、後部座席への安全なシートベルトやエアバック、後部座席へのチャイルドシートなどの標準装備などによる衝突安全性、人間工学に基づいた疲労しにくく快適な運転座席の設計、アクセルとブレーキの踏み間違え対策、雨の日などは特に大事になるだろうアンチロックブレーキシステム、カーナビゲーションシステムの搭載、エアサスの電子制御との組み合わせなどを、最新で高級なフラッグシップモデルにのみ採用するのではなく、ボトムグレードまで分け隔てなく採用し、安全で快適かつ便利な乗用車をアピールして来た結果、販売台数は順調に増えている。
交通事故の件数は1970年に16765人と過去最悪を記録した後は減っていっていたのだが1980年頃から再び増加傾向にあって現在は10000件に届くか届かないかくらいでまだまだ多く2010年代後半には4000件を下回っていることを考えるとまだまだ改善の余地があったわけだ。
特に安全を重視するする経営者、会社役員、政治家などに利用されるようになって来ているのは大きく、日本のベンツの地位を得つつある。
豊畑はあくまでも”大衆車”であり独高級車のような安全性のブランドは得ていない。
だからこそ日本における高級車分野における安全というブランド力を得るなら今がチャンスなわけだ。
そもそも技術的信頼性というスローガンを売りにするのはもはや前近代的なことでしか無く、1970年代は日産の方がトヨタよりエンジンが良かったのは事実で、故障しにくいは売りになったが、その他の場所も含めて壊れにくいのは80年代では他の自動車メーカーでもそれは当たり前なのだ。
テクノロジーの優位性などあっという間に無くなるのが、ネットの普及するこれから先の時代であるのだから技術を持っていることよりも、その技術を用いて、どのようなことができてそれがユーザーにどのようなメリットが有るのかをはっきり示さなければならない。
例えば重電の雄である西芝などがいい例だろう。
最先端技術を開発してもそれを活かせていたかと言うと全く活かせていなかった。
技術というのは、あくまでユーザーが理想とする製品などを生み出すための「手段」の一つに過ぎない。
それにより顧客を満足させて、より売れるようにして行くのが、健全な企業だ。
しかし、顧客の嗜好や社会の変化に合わせて、製品も変化させることが「技術自慢企業」はできなくなっていく。
そしてデータの改竄などが横行して自滅していくわけだ。
排ガス規制が厳しくなればハイブリッドへ切り替えていくとかそういった当たり前のことができずに、排気ガスのデータを改竄しても意味はないのだが。
そういった過去の技術にとらわれず、しかしながら、バイオエタノールや完全電気自動車のような日本での普及がまだまだ難しい技術に手を出して行くというのも防いでいかなければならない。
電気自動車の問題はクルマそのものよりもスタンドの問題のほうが大きい。
電気自動車の充電はガソリンや軽油よりも遥かに長い時間がかかる割には安い値段でしか売れないから電気スタンド自体が普及しづらい。
バイオエタノールは電気ほどではないがそもそも供給されるエタノールの利用自体が少ないのが普及を妨げている。
そういった実状も顧みないでエンジンの転換を強引に推し進めるのは問題だろう。
ただの移動や荷物の運搬だけではなく、乗る人をワクワクさせる、運転を楽しくするための車というのは大事なはずだ。
無論将来のために電気自動車用リチウムイオンバッテリーを開発して行くのも大事ではあるけどな。
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