山田音楽器や山田発動機、富士山重工業の買収が出来たのは大きいな

 さて、山田音楽器や山田発動機が買収できたのは実に大きい。


 山田音楽器と言っても実際には、楽器だけでなく音源チップやシンセサイザー、MIDIなどの半導体も手広く扱っているし、音響映像機器、スポーツ用品、自動車部品などの製造発売を手広く手がけている会社であったりする。


 昭和44年(1969年)にピアノの生産台数で世界一となり、販売額ベースであれば世界首位を維持していたりもするし、ギターやドラム、ヴァイオリン、チェロ、トランペット、サクソフォーンなど多種の楽器を製造している。


 そして楽器というのは安価なものであればMC旋盤のようなもので大量生産は不可能でないが高品質なものはそうやって簡単には作れず、楽器の製造に関してはその後もヨーロッパや日本が中心であり続けたのである。


 礼服の仕立てなどもそうだが職人の技量が大事な分野というのはまだまだ残っていて、そういった職人向けの製造業というのは日本向けでもあるしそれを活用していくのは大事だからな。


 ハーモニカやリコーダー、ピアニカ、トライアングル、ピアノといった学校の音楽教材も扱っているから結構販売も安定はしている。


 とは言えピアノは昭和55年(1980年)、エレクトーンは昭和56年(1981年)にそれぞれの出荷台数がピークを迎えて以降は減少し、AV機器事業で従来の高級機から普及機への進出を図るなどしたが結果は残せず、半導体・電子部品事業も競争は激しく、経営が厳しくなっていたのも事実ではあるから立て直しは必要だけども。


「そろそろ本格的にリズムマニアックスの入力に楽器型のものを導入したいと思っていたしちょうどよかったかもしれないな」


 俺がそう言うと朝倉さんが嬉しそうに笑っていった。


「それは楽器に触れる人を増やすにもとても良いことです。

 ますはベース・ギターとドラムが良いと思うです」


「音楽バンドで使う楽器ならたしかに馴染みやすいかもな」


 昭和58年(1983年)にMSX規格、昭和60年(1985年)のMSX2規格のMSXパソコンを発売していて、”前”では昭和63年(1988年)にMSX2+規格のパソコンも発売しているが、正直本体キーボード一体型の8ビットパソコンではもうかなり厳しいのも事実なんだよな。


 また昭和59年(1984年)にハードディスクに用いる薄膜磁気ヘッドの開発も開始していてそちら方面もしばらくの間は安泰だろう。


 山田発動機も一般的にはバイクが有名だが第二次世界大戦中に飛行機用のプロペラと関連機器を製造していた関係で小型船外機では世界1位、バイクでは2位になるなど世界的な評価も高くなるはずだ。


 小型ボートとその船外機以外でも、漁船、ヨット、クルーザー、ジェットスキーなどのマリン製品全体でも強い。


 そして農薬散布用のヘリコプターなどの産業用ドローンでも強いのは大きい。


 ドローンといえば一般的には空中を飛ぶ無人航空機をイメージするがそれだけでなく水中のドローンでもYAMADAは対応できるだろうし、海上だけでなく海中の哨戒作業や撮影も可能になれば離島周辺の防衛にも大きく寄与するだろう。


 そして俺が会社を持っている限りは中国への輸出などを行わせるつもりはない。


 その代わりに日三自動車や富士山重工業と技術協力をしあってそれぞれの業績伸ばしていきたいものだ。


 富士山重工業は支援戦闘機であるF-2の開発を進めさせるが個人的にはスウェーデンのサーブ 37 ビゲンを元にするもしくはサーブ 39 グリペンの共同開発で良いのではないかと思う。


 スウェーデンの国防は独力での専守防衛が前提でソ連軍の先制攻撃への高い抗堪性こうたんせいが必要とされているところも日本に酷似しているし雪に覆われた長さ800 m、幅17 mの高速道路の直線区間に離着陸できること、短距離で離着陸できる能力と充分な設備のない場所での整備、そこから短時間で再出撃を実現する高い整備性が最重要とされていてこれは日本でも重要になるだろうし。


 それにF-15やF/A-18は当然だがF-16を改良するよりも安く上る可能性も高い。


 ただグリペンはフライ・バイ・ワイヤを制御するプログラムに欠陥があったりして、正式に飛行隊の発足ができるのは平成8年(1996年)となったリもしているが、F-2の量産初号機は平成12年(2000年)なのでそれより早くなるだろう。


 その間には対地攻撃任務主体型のAJ 37を使うという方法もあるように思うがな。


 どうせアメリカは共同開発してもソフトは日本に渡さないのだし、そもそも防空戦闘機としての能力では現状F-15Jがあれば十分だろう。


 あくまでも現状では、であるのだが。

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