高校や大学へ入学するのが当然というのは親には負担がでかいし、家事を手伝う経験を積むのも大事だと思う
さて、今回の人生では東大を目指している俺だが、伊邪那美様のチートもあって模試の結果はA判定の合格率80%以上を維持している。
そしてそれを嬉しそうにしているのは俺よりも北条先輩だ。
「ふふ、このまま行けばうちの学校から現役理系東大生が無事誕生しますわね」
北条先輩がそう嬉しそうに言うが俺から見れば北条先輩や斎藤さんのほうがよほど神に愛されている”ギフト持ち”だと思うけどな、俺の場合はそれこそ伊邪那美様からの
「そういう北条先輩も東大文Ⅱで余裕のA判定でしょ?
それに現役でA判定をとっていたのに1点差で落ちて浪人したという人もいるし、まだまだ安心はできないよ」
俺達がそんな話をしていたら斎藤さんが額を抑えていった。
「楽勝でA判定が取れる人達はいいわね。
私は偏差値73だから結構厳しいわ」
「あれ、斎藤さん今回の模試駄目だったの?」
「ええ、今回はB判定だったわ」
「ありゃB判定だったんだ。
何が駄目だったんだろう?」
「文Ⅲだからって理数系も手を抜けるわけじゃないのよね」
「まあ、文Ⅲは教育系だからむしろ全般に強くないと駄目だよな。
でも駄目な場所がわかっていればそこを集中して勉強すればいいから、むしろわかりやすい気がする。
俺は東京大学原子核研究所とかの原子力系とかスパコン系のコネを作りたいから東大理系ではまだ楽な理Ⅰだけど、合格率80%って結構微妙だよな」
ちなみに俺の偏差値は75で割合は0.6%なのでおよそ161人に一人はいるから、東大生ならそこまで珍しいというほどでもない。
で俺たちがそんな会話をしていたら明智さんと朝倉さんは顔を見合わせて肩をすくめていた。
「なんだかわけのわからないことを言っているっすね」
「まったくです」
そんなことを他人ごとのように言っている二人に俺は苦笑して言う。
「明智さんや朝倉さんにもいずれは会社を任せるつもりだから経営を学ばないと駄目なんだけど?」
俺がそう言うと朝倉さんがいたずらっぽく口を歪めていった。
「ライジング初期メンバーを愛人として囲って女社長をやらせるっていうのは本当でしたか?」
「いやいや、別にみんなを愛人として囲うとかはないからね?
でも、島津さんや毛利さん、明智さんのお兄さんや浅井さん、ナセルさんもふくめて、俺はみんなを信頼しているし、そもそもみんながいなければ今のライジングはなかったとも思っているから、持株会社の社長とか役員はやってほしいと思っているよ」
俺がそう答えると朝倉さんがため息をついていった。
「こういう状況でも真面目に説明する部長はユーモアがたりないです」
それを聞いて島津さんが笑いながら言う。
「いやあ、僕たち男まで愛人として囲うなんて太っ腹というかこれはこまるというか」
そして毛利さんも笑っていった。
「全くだな、まあ大学を出た後で就職先に困らないのは助かるがな」
そして明智さんのお兄さんはちょっと困ったように言った。
「なんか他の二人に比べると俺は会社に貢献してない感じがして肩身が狭いな」
「いやいや、明智さんのお兄さんはこれからですから。
それにTRPGの売れ域も決して悪くないですよ。
文庫形態だから単価がゲームの1割しか無いんで数値的にはたしかに少なく見えますけど、むしろTRPG界隈でのうちのシェアはコンシューマーゲームよりずっと上ですからね。
そして本命はTCGですし」
「それはそれでプレッシャーだね」
まあ彼らは冗談で言っているのだろうけど、特に島津さんが得意な人工知能の研究はこれからゲームだけでなく社会全体でとくに大事になってくるし、毛利さんのような多量な変数を手掛けるのが得意なプログラマーや明智さんのお兄さんに任せる予定になっているTRPGやTCGもゲーム事業ではめちゃくちゃ大事だしな。
まあナセルさんは一時的に日本にいてもいきなり会社をやめて、世界をふらふら旅したりしそうだけど。
据え置きハードでは3Dポリゴンが主流になってドッターやアニメーターの必要性は低下するけど、携帯機やパソコンの2Dブラウザゲーム、ソシャゲなんかではまた復活するから伊達さんと南部さんも大事なんだよな。
結局、事業や組織を作っていくのは人そのものの、個人個人が得意とするものとどれだけ合致するかというのも大事だし、ライジングの初期メンバーならいきなり裏切ったりもしないだろうと思う。
そして0からシナリオ、イラスト、音楽、音声を作り出す事ができる人、それをプログラムとして形作れる人、出来たゲームを直接的な金に変えられる人という皆得意分野が違うからこそうまくやってこれたのだと思う。
まあ、あとはお金にとことん汚い人もいなかったしな。
それはとてもありがたいことだと思うし、これからも皆で力を合わせていければベストだと思う。
「それはともかく女性は高校を卒業したら家事手伝いとして、掃除や洗濯、買い物に炊事の家事などを母親と一緒にやって覚えるというのも本当は大事だと思うんだよな」
俺がそう言うと浅井さんが言った。
「芸能界だと早く結婚して引退したいっていう人は多いですね。
ファンの思い描いている人物像と実際の自分が違いすぎて大変と言うのもありますし、後から後から若い子がデビューしてくるから大変っているのもありますし」
「たしかにアイドルとか声優ってそんなものだよな。
ファンはファンの理想を求めるんだろうけど実際は違うってことも多いだろうし」
確かにコンビニや外食産業の発達で結婚して食事を家庭で取らなくてはいけないわけではなくなったのだけども栄養の偏りを考えればそれが必ずしも良いとは思えないし、大学に行って会社に入って寿退社ではどうしても結婚は遅くなりがちだから、その分親の負担もでかいうえに、ろくに家事の仕方を知らないまま結婚するというのも、メシマズ嫁が増えている原因でもあるんじゃなかろうかという気もする。
別に冷凍食品や出来上がった惣菜を使うのは良くないとか言うつもりもないし、そこまでいうなら米は竈を使い羽釜で炊いたもの以外は飯と認めん何ていう意見もそのうち出てきそうだし。
もっとも60年代頃に竈から電気炊飯器に変わったころはそういう意見も少なくなかったみたいだし、主婦の負担を軽減させることに対しての協力も夫の方に必要だろうけど、男も家事育児に必ず協力しなきゃいけないってのもどうかと思う。
でも俺の父さんみたいに金は沢山稼ぐが普段の子どもの教育や家事には一切干渉しないし、平日は殆ど顔を見ないっていうのもそれはそれでどうかとも思うんだよな。
いや父さんの仕事が大変なのはよくわかっているつもりだけど。
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