ともかくサービス残業と労働力の非正規化は阻止しないとな。
さて、昭和35年(1960年)の日本のサラリーマンの年間総実労働時間の平均は何と2432時間もあった。
昭和22年(1947年)に制定された労働基準法における1日8時間、1週48時間という法定労働時間は制定したが残業時間の規制はなく、土曜日はフルタイム出勤で祝日も年間計9日しかなかったからだ。
残業については規制をもうけなかった理由は昭和22年(1947年)の法律制定以前は民間企業でも公務員でもそもそも1日の労働時間は8時間に至っておらず、そこまで想定する必要がなかったのだろう。
しかし翌年昭和23年(1948年)になると、週休1日制で週労働が48時間を超える状況にすぐになってしまい、年間総実労働時間は、昭和35年(1960年)には2432時間となるまで増加し続け、その後は第一次オイルショックまで減少を続けてその後に横這いになった。
これは労働時間が実際に減少したわけではなくパート労働者が増えたが、それが全体の年間実労働時間のデータ計算の分母に含まれ、平均実労働時間を押し下げる形になっただけで、年間労働時間が3120時間以上の超長時間労働者が目立つようにもなっている。
そして昭和54年(1979年)3月に、ECは日本をうさぎ小屋とあまり変わらない住宅に住んでいる仕事中毒で、長時間労働で失業までもヨーロッパへ輸出していると非難した。
このころの日本の年間実労働時間は多少減少して2137時間であったが、アメリカの1924時間、イギリスの1955時間を約200時間上回り、西ドイツの1719時間、フランスの1772時間を約400時間も上回っていた。
そして”前”にそれがはっきりと外圧として現れたのが昭和60年(1985年)プラザ合意だった。
日本が輸出で貿易黒字を貯め込んだのは日本の労働者が長時間働き過ぎているからではないか?
長時間残業した分、手当を労働者らに払っているのか?
払わずにサービス残業させて低賃金で働くから、競争力があるだけじゃないのか?
輸出に頼らず内需を拡大し、 長時間労働を削減しろ。
と日本は言われてしまったのだ。
こうした主にアメリカによる「構造改革」の要求を受けて、日本政府は渋々年間総労働時間を1800時間程度に短縮して行くことを決定。
労働基準法を昭和62年(1987年)に改正し週40時間労働を国会で成立させ、完全週休二日制を推進せざるを得なくなった。
これにより大手企業から完全週休2日制が取り入れられて行き、祝日も増えていった。
ちょうどバブル景気が華やかで、企業の設備投資も盛んに行われていたことから一見問題はなにもないように見えた。
フレックス制などで、繁忙期に労働時間が増えても残業代が支払われない不規則な労働時間を強制され、裁量労働制が導入されて、残業をしても賃金を支払わないことが合法化されてしまった。
それとともにバブル期にはコンビニや外食産業のチェーン店の発達や建設ラッシュに伴う建設業界の人手不足によって、高給のアルバイト求人が急増し、正社員として就職するよりも高い月給を得られるようになり、正規就職の意志があれば比較的簡単に正社員として就職することが可能な時代でもあったので、フリーターは人気になった。
しかしそれは見せかけの好景気でしかなくバブルが破裂するとアルバイト時給はどんどん下がり正社員雇用への道は閉ざされたがそれを煽ったマスコミはもちろん責任を取るようなことはしなかった。
そしてバブル入社までの正社員はそのまま温存され、派遣や期間工による非正規化は人間を簡単に取り換え可能な消耗部品として取り扱う形態が発達していくがそれでは当然少子化が進むわけだ。
また60年代70年代のサラリーマンの労働時間が長くても日本全体としてはそこまで少子化が進まなかったのは、農業や漁業・林業・炭鉱労働や自営業などの割合が多くサラリーマンは全体としての割合は高くなかったというのがある。
しかし、農業や炭鉱労働などの衰退、林業の壊滅、モ-タリゼーションと大型スーパーの発達に伴う商店街の衰退等による自営業の減少などもあってサラリーマンの割合はどんどん増えている。
とりあえずは老人の給料を維持するために若者を犠牲にするような非正規化は絶対に阻止するべきだし、サービス残業などを行わせる会社も徹底的に叩くべきだろう。
Ωの弁当屋が無休かつ無給で信者を働かせて利益を上げていたことを褒めそやすのはおかしいのと同じことだからな。
サービス残業を正当化する経営者はΩの教祖と同レベルってことだ。
少なくとも俺の持ってる会社ではそういったことはやらせないことは徹底しよう。
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