ゲームはソロのほうが楽しいのか多人数のほうが楽しいのか
さて、俺が対戦格闘ゲームの制作に乗り出したのは、単純にゲーセンなどでの流行の先取りをすればいいと思っているわけでもない。
コンピューターゲームやモグラ叩き、ワニ叩きのようなエレメカゲームは一人で楽しめるように設計されたものが多いが、トランプやUNO、花札などのカードゲームは基本的に複数で楽しむもので、陣天堂はもともと花札やトランプの製造会社であったこともあって、容量をでかくしてきれいな画像、美しい音楽という方向性は間違っているとして、ゲーム機の性能が低く、ロムの容量も少なくても面白いものは作れるという判断をしていたが、基本は単純操作で爽快感の強いゲームという路線をすすみ、対戦ゲームでも単純だけど熱くなれる面白いゲームというものを沢山作っている。
逆に対戦格闘がだめなら協力すればいいじゃないかという路線に走ったのがカプコの怪物狩人だと思うが、このゲームのマルチプレイ以前からパソコンでのネットゲームとしてアルテマオンラインの人気はあったから多人数で協力して遊ぶという考え方は間違いではない。
ただ多人数参加型のMMORPGやソシャゲのたぐいは先行してゲームを始めたプレイヤーが圧倒的に有利であり同時期に始めないと楽しめないという問題も大きかったりするが。
そして、今年の10月に発売されるはずのMECとハデダゾンが共同開発しているPCジェネレーターは最初から5人までが一緒に遊べるマルチタップを作っているはずだ。
ならサンシャインでもそうすれば良いのではないかと思うかもしれないが、実際には5人同時プレイのマルチタップが活躍できるゲームソフトはほとんど開発されず、ニャムコのテニスゲームで4人のダブルス対戦ができ、最大5人同時プレイ可能のアクションRPGや爆弾男の複数対戦が実装されてようやく出番が来たが、アーケードゲームやパソコンからの移植作を含めたRPGなどのタイトルの人気が強かったこともあってさほどその数は多くなかった。
そして多人数プレイの問題は参加者のレベルが均等でないと対戦でも協力でも楽しめなくなってしまうことでもある。
アクションゲームやレースゲームは個人的なセンスの差で同じゲームでもかんたんすぎるとも難しすぎるともなるが、簡単すぎるゲームはちょっと時間を潰したい時に遊ぶ事ができるが、難しすぎるゲームは一方的に負けたりするし、進められないストレスのほうがでかいからそもそも娯楽たり得ない。
そして怪物狩人の人気が大きく落ちたのは、毎回やる事は同じなのに難しくなりすぎで初心者お断りになったというのがあるだろう。
これはスーパーマリオンブラザーズの続編の2の売上がその難易度ゆえに大きく落ちたことにも通ずると思う。
そして対戦なら勝てないほうが全く楽しめないのは当然だが、協力でも足手まといが居るくらいならソロのほうが良いとかなってしまうこともあるから初心者が入っていけなくなったわけだな。
日本のコンピュータRPGはドラクレの影響で死んでもレベルはそのままでやり直せるから、センスが悪くても時間をかけてレベルアップさえすれば、最終的には必ずクリアできるという意味で、すべての人間が楽しめるように設計されている……はずだよな。
まあバランス調整ができてないっぽい、ドラクレ2の時点でそれも怪しいわけだけど。
もっとも多人数ゲームの場合は誰かがゲームから脱落したらその間は暇という問題もあるからそれに対する対策も必要だろう。
TRPGサークルなんかは同じメンバーが週に一度集まれなくなるとあっさり崩壊したりするからなかなか難しいものはあるけど。
そのためにも二人で対戦してしかも短い時間で純粋に戦闘だけ楽しめるTCGにTRPGが取って代わられるのは必然だったのだろう。
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