ともかくスポーツ亢進のための種は巻いたよ、ゲームは作り手の個性が大事だと思う
さて、日本のスポーツのレベルアップのためにトレセンを建て、集中選抜合宿を開催し、小学生から素養のある人材を選抜して集中的に育成するようにし、フィギュアスケートなどのように一年で1000万から3000万円も費用がかかるせいで普通の家庭ではお金が問題で続けられないという場合には、スポーツ奨学金を出すようにもした。
当然だがトレーニングなどは科学的なものにし、無駄な根性論を振りかざして目先の結果だけにこだわるような監督やコーチは解雇させた。
アメリカやソ連などはこういったことを国が主導で徹底してやっているから、オリンピックで活躍する選手をたくさん輩出できるのだな。
厚生年金や郵便局の簡易保険で無駄に豪勢な宿泊施設だのなんだのを作るくらいならこういったスポーツ選手育成に金を使うべきだったのだ。
まあそれは別として男は男らしく外に出て、女は女らしく家にいるべきという風潮も少しずつ変化していけばいいと思う。
男でもフィギュアスケートやバレエで活躍してもいいし、女でもソフトボールなどで活躍できてもいいはずだ。
女の子がスポーツをやりたいのにやれないというような環境は少しずつ変わっていくといいのだが、学校の部活で強制的にやらせるというのも問題だしそのあたりはうまくバランスが取れていけばいいと思う。
まあ俺たちも運動が十分でないということに関してはあまり人のことはとやかく言えない気もするが。
笹川氏は統合協会と手を組んだのはどうかとは思うが、それは反共のためであって基本的には世のため人のためを最優先して行動している人物だと思う。
まあ、それはともかく何をするにしても必要なのは金だ。
「朝倉さんには銭ゲバ呼ばわりされたこともあるけど、金っていくらあっても足りないよな」
俺がそういうと北条先輩がどや顔で言った。
「ようやくそのことがわかりましたか。
何らかの法人などの組織を維持していこうとするだけでも莫大な金銭が必要なのです」
「それこそ下手すると金額は何千億、何兆にもなるからな」
そうなるとどんぶり勘定になっていく理由もわかるよ。
無駄なことにばかり使われる税金なんか払いたくないという意見もあるのはわかるが、交通や通信などのインフラの整備や保持、ダムや河川の管理などの防災対策、医療や消防・警察など暮らしの安全の確保にも莫大な金がかかりそれらを会社として利益優先でやると問題が起こりやすいのも事実だろう。
電力会社が原発の利益を優先したせいで安全性が十分確保できずに、最終的には重大な事故につながってかえって経営を圧迫したのがその最たるものだと思う。
かといって公社などの半国営だと無駄が多くなるのも事実だから難しいところだが。
「ゲームソフト会社はアイデア勝負だから利益率は高くても、そのゲームが飽きられたら終わりだから大変は大変だよな」
実際にホムコン時代、スーホム時代は人気タイトルを出していたゲームメーカーがその後はさっぱりで倒産なんてことも珍しくない。
俺がそういうと北条先輩はうなずいた。
「確かにそうですわね。
この1年半ほどは日本だけでなく南北アメリカ諸国やヨーロッパやジュエルスシリーズにリズムマニアックスやダンスダンスエモーションなどの、ソフトの売れ行きやアーケードでのインカム収入が莫大でしたから3兆円もの売り上げが出ましたがそろそろ厳しいですし」
「今回は全世界でヒットしたからいいけど、RPGなんかは日本でしかヒットしない可能性も高いしね」
俺がそういうと斎藤さんが首を傾げた。
「それはなぜかしら?」
「基本的な嗜好の差とか宗教的背景なんかはあるだろうね。
あと日本のコンシューマーRPGはドラクレの成功で子供向けに特化しているけど、海外の作品はどちらかといえば大人向けだと思う」
「となると、今後は海外でもうけるようにストーリーや背景を考えないといけないということかしら?」
「そうできればいいけど日本国内での販売タイトルには無理に海外販売のことまで考えないでもいいと思う。
どっちにも大丈夫なようにすれば結局中途半端になりやすいと思うしね」
「ならファンタジースター2は今までと同じように行けばいいのね」
「うん、それでいいと思うよ」
ゲームデザインに客の好みを考慮するのは大事だが、様々な制約もあるから客の声をすべて拾い上げようとするのも正しくはない。
「ゲームにはそのゲームタイトルが持つ”らしさ”という個性が必要だと思うしね。
ファンタジースターは斎藤さんらしさを押し出していけばいいと思うよ」
「そう、ならそのようにするわね」
「島津さんや毛利さん、北畠さんや三好君、桃井君もそれぞれ自分らしさにこだわってゲームを作ってくれていいから。
それがファンを作る方法だと思うしね」
俺がそういうと島津さんが苦笑して言った。
「まあ、言われなくてもそうするし結局はそうなるものだとは思うけどね。
それぞれ得意だったり詳しかったりする分野が違うわけだし」
「それはそうですね」
まあ俺は”前”人気だったゲームとかを先取りして作ったりするので個性とかは出ないと思うけど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます