ようやくポケットサンシャイン本体とローンチソフトが発売されたが売れ行きは好調だ

 3月21日 - 外曽根内閣が戦後3位の長期政権となった。

 3月22日 - パイナップルコンピュータが本体とCRT分離型でカラー表示ができるはじめての機種である「Nacintosh II」と最初のコンパクト機種の「Nacintosh SE」を発表。ただし日本での発売は9月1日で日本語OSが間に合わずに英語OSのまま出荷されたため日本人ユーザーを増やすことは出来なかった。


 さて、ようやくポケットサンシャイン本体とローンチソフトが発売された。


 ジュエルスとはまた違う落ち物パズルのテト&リスはモノクロでもブロックの形を合わせるという方式のために分かりやすく、ジュエルスに飽きが来ていた落ちものパズルファンを喜ばせた。


 またブロック崩しも予想以上に売れたのは嬉しい誤算だ。


 モノクロで画面も小さいため単純なゲームのほうがあっていたわけだが、これは制作するほうにも開発時間が短くなりやすく、開発費等が低く抑えられやすいというメリットがあった。


 もともとトランプや花札の製造メーカーであった陣天堂が成功したのは機械の保守・整備を担当していた縦井軍平氏の存在が大きい。


 縦井氏を開発部門に抜擢した社長も大したものだが、縦井氏も様々な独創的なオモチャを開発し、陣天堂を本格的な総合玩具メーカーへと変化させていった。


 そして縦井氏の開発したゲームボーヤは最初は最大の失敗作と言われたが、ゲームの面白さの原点に回帰をするという目標をたてていた。


 ハデダゾンのPCジェネレーターやSAGAのテラドライブなどはハードのCPUの速度競争や色表示競争になっていて、敢えて時代の逆をゆく低コストでモノクロだが携帯可能なハードの開発に着手した。


 モノクロ液晶では売れないと問屋は渋ったし、他社の携帯ゲームはカラー画面で見た目も鮮やかであったが、単三電池6本でわずか3時間しか遊べないという電池の消費が早過ぎたことや、ハードの値段も高くなってしまった上に、カラー液晶は太陽の下では見えにくくなるという致命的な欠点もあった。


 ゲームボーヤやエポックメイキング社のマイゲームポケコンは同じ電池の本数で30時間以上遊べたからこの差は大きい。


 お小遣いが少ない小学生ならなおさらであった。


 そしてそういった欠点に加えてカラーのほうがゲーム開発は当然大変だったのでそこで出すゲームには失敗が許されなかったから面白いアイデアのゲームというのが作られづらかった。


 陣天堂が64以降のハードでソンニーの据え置きハードに遅れをとっても、ハードメ-カーとして生き残れたのは、ゲームボーヤシリーズがハード・ソフトともにものすごく売れたからにほかならない。


 接続ケーブルによって対戦や複数人数での同時プレイが可能になったのも大きいが、それ自体は据え置きハードでもあったがケーブルを活用した『ポケットモンスター』のトレーディング・システムは、今日まで継続する「ソーシャル」なゲームの先駆けである。


 そしてモノクロで画面も小さいハードでも面白く遊べるゲームを作るという制約がむしろいい方向に作用した。


 そしてこれはポケットサンシャインにも適用されて、さらに携帯ゲーム機は電車の中での暇つぶしなどにも使えるという強みもあった。


 陣天堂は携帯ゲーム機と据え置きゲーム機を明確に分けた。


 だからこそ据え置きで失敗しても、携帯ゲーム機の売上のみでも生き残れた。


 まあ、そこはあえて先に潰させてもらうけども陣天堂のアクションゲームの層は厚くフェニックスのドラクレもあるから陣天堂に追いつくのは正直大変だ。


 そして陣天堂は面白いゲームを開発するソフト開発での少数精鋭主義を推奨しているがこれも正解だと思う。


 人数が増えるほど面白いアイデアが埋もれやすくなるし、人数が増えて開発費が増えると売れなかったときのことを考えて失敗を恐れるようになることで結局無難なアイデアになりやすい。


 ホムコン初期では開発費用100万円のものもあったがその後300万円程度になってRPGが主流になった後期には1000万円程度になり、スーホムで4000万円程度、プレイポートでは1億円程度で、PP2では3億円、PP3以降は10億円が当たり前となっていった。


 それが携帯ゲーム機ではゲームボーヤカラーで2,000万円程度、後継機のJDSで4,000万円程度、ソンニーのPPPで8,000万円程度だと言うから携帯ゲーム機の方に力を入れる意味もわかるというものだよな。


 プレイポートのキラータイトルになったヘックスのFFF7の開発費は147億円だったが売れたからもとは取れたが、その後シリーズがだんだんやばくなっていく理由も開発費の高騰が理由だ。


 無論、小粒でシンプルなゲームは安いし大作は高くなるので一概にこのくらいかかるわけではないが。


 とは言え据え置きハードは明らかに声付きである程度グラフィックがきれいで動くほうが売れるようになったのは事実だからそちらはそういう路線である程度は行くつもりだ。

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