スペースウォーズの日本での版権が獲得できたし監督も日本に呼べたか

 さて、国産のファンタジーTRPGルールなどの制作が一段落した所で北条先輩から嬉しい報告があった。


「昨年の11月から話を進めていました、ルークスフィルムとの交渉で日本におけるテレビでの放映権や遊園地でのアトラクションの利用権を独占することに成功しましたわ」


 そして足利さんも言った。


「頑張って大急ぎで話をすすめましたよ」


 俺は二人の言葉にうなずいた。


「お、それはありがたいよ、こういうのは時間勝負だからね。

 早速だけど谷津遊園のアトラクションをスペースウォーズの世界を利用したライドシューティングとライトサーベルを使ったチャンバラっぽいことができるようにしようぜ」


 俺の言葉を聞いて北条先輩は少し考えた後うなずいた。


「ええ、そちらの手配も進めていますわ」


 そして俺は二人に聞いた。


「ところでアメリカ本家のあれではどうなっているのかな?」


 そこで北条先輩は少し悔しげに言った。


「残念ながらアメリカ本家の方では今年昭和62年(1987年)1月9日にスペースツアーズという宇宙旅行のアトラクションがオープンしているようですわ」


 それだとちょっと面倒なことになる可能性があるか。


「だとしたらパクリだとか何とか言われないようにしないといけないな」


 そこで足利さんが言う。


「あちらは画面の動きに合わせてライドが上下左右に動くことによって、実際に飛んでいるかのような感覚になることができるというものでゲーム的な要素はないようですけどね」


「じゃあ、そこまで心配しなくてもいいかな。

 こっちとは多分感じがぜんぜん違うだろうし」


 そして北条先輩が言った、


「あと、北海道岩見沢のグリーンヒルランドも三井鉱山から無事譲り受けることが出来ました」


「ああ、それもいいことだね。

 それなら谷津遊園の他にも横浜と奈良の夢幻ランドと熊本と岩見沢のグリーンヒルランドにも同じアトラクションを設置しようか」


 俺がそう言うと北条先輩が首を傾げた。


「奈良や九州と北海道はいいですが、横浜も?

 谷津遊園と客の奪い合いになりませんか」


「横浜と言っても実際は大船とか戸塚の方だからね。

 谷津遊園とは棲み分けはできると思うし、夢幻ランドにもテーマパーク的な新しい風が必要だと思う」


「そうですか、ではそのように手配しますわね」


 そして足利さんが言った。


「斉藤さんのペンパルのJ・K・ローリングストーンさんの小説の邦訳も進んでいますよ。

 桃源郷社から出版でいいのですか?」


「それは徳田に切り替えたほうがいいかな」


「わかりましたではそうしますね。

 あ、監督がぜひ日本に一度来たいということですよ。

 昨年撮影したミシマ・ライフ・イン・フォー・チャプターズを日本でも公開してほしいそうです」


「ああ、ミシマなんか公開したら右翼左翼が反対して騒ぎになるって言われていたな。

 でもそれ自体は大丈夫だろうし上映したいね。

 とは言え瑤子婦人の許可がえられないと無理だろうけど」


 俺がそう言うと足利さんが苦笑していった。


「そうなのですよね」


「監督には俺たちが協力した宮本武蔵の時代劇映画を見てもらって、それをもとに監督なりの特撮撮ヒーロー物か、無国籍チャンバラ物でも作ってもらったら良さそうだね」


 俺がそう言うと北条先輩がうなずいた。


「そうですわね。

 監督の名前は日本でも大きいですし」


 これでスペースウォーズのゲームとかも作れそうだし、やっぱりいいことだよな。

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