今年の慰安旅行の行き先はどうするか

  さて、一学期の期末テストも無事終わり、あとは夏休みを待つだけだ。


 ちなみに野球部は無事に甲子園出場を果たしたらしい。


 なにしろうちの野球部はアメリカ式のトレーニングなど最新式スポーツ理論を取り入れたからよその高校に比べればおそらく20年くらいは先に進んでいるからな。


 まあそれはともかく夏休みは自由に行動できる数少ない期間だし、今年もあちこちにでかけたいものだ。


  あ、ちなみに浅井さんにひっついて横山さんもゲーム制作部に入り浸るようになっているので、ゲーム制作部は更に大所帯になっている。


「さて、今年の夏休みの慰安旅行はどこに行こうか」


 俺がそう言うと北条先輩がまず言った。


「昨年は伊豆の伊東に福島と鬼怒川に西湖。

 後は北海道と九州には研修旅行や修学旅行で行っていますから、今年は近畿・中国・四国の遊園地を見て回り、遊園地施設のテコ入れの必要性などを判断し、そこで働く従業員用の保養施設を探すべきかと思いますわ」


 北条先輩の言葉に俺はうなずいた。


「ああ、それも道理だね。

 としたら三重のナガシマ温泉ランド、奈良の夢幻ランド、岡山の鷲羽山高原ランド、広島のナタリー遊園地、淡路島の淡路世界遊園、四国の徳島家族遊園地を見て回って、その近くに保養施設として買い取れる施設があるか探したいかな」


 俺がそういうと朝倉さんがうなずいた。


「実際に買った遊園地を見て回るのはいいことです。

 それに京都・奈良以外に行ったことがないので西日本へ旅行というのは楽しみです」


 朝倉さんの言葉に横山さんもうなずいている。


「両親の実家が西日本とかじゃない限り、修学旅行で京都やら奈良に行くくらいだもんね。

 岡山とか広島とか徳島とか行けるのが楽しみだな」


 ちなみにまだ瀬戸大橋は開通していないので、本州と四国の間は船で渡らないといけないが、その連絡船の急行便としてホバークラフト船が運航されていたりするので、できれば乗ってみたい。


 橋がかかってしまうと連絡船はドンドン廃止されていってしまうからな。


 そこで上杉先生が言った。


「必要なら移動のためにまた学校のマイクロバスを借りるなり、人数が乗れる車種のレンタカーを手配するなりするがどうする?

 もっとも学校のバスは甲子園の応援で使うかもしれんから難しいかもしれないが」


「できれば車があると助かりますね。

 電車とバスで移動もできますけど必ずしも交通の便がいい場所ばかりでもないので」


「ふむ、わかった、ならば駅レンタカーを使うとしようか」


 大きな駅ならば国鉄と提携したレンタカーがあって、普通のレンタカーより返却などが面倒でないはずだし。


「それがいいかもしれませんね。

 うちの学校が優勝したら甲子園が舞台の野球ゲームを作ってみてもいいかな。

 野球ゲームは人気あるし、宣伝にもなるだろうし」


 それにしてもそれなりに大きさがある遊園地というのは意外と所在が偏っていて、首都圏は多いけど、大阪を除いた近畿や中国・四国はかなり少ないのだよな。


 アトラクションの価格がバカ高いから入場者数が確保できないと赤字になるから仕方ないけどな。

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