そろそろ本格的に終末思想を訴える宗教の危険性を訴えるべきか
7月1日 - 世界初のレンズ付きフィルムカメラ「写ルノです」が発売され大ヒットした。
7月6日 - 6月2日の衆議院解散、通称死んだふり解散をうけての衆参同日選挙が行われ自由民権党が圧勝した。
さて、7月に入り一学期期末考査に向けて勉強中だがまあこれはいつもどおりなので慌てるものでもない。
俺や斉藤さんは特待生だし、北条先輩の手足としてあちこちを文字通り走り回っている足利さんや声優として活躍している浅井さんは出席日数が少ない分ちょっとテストも頑張らないといけないところがあるので、俺がアドバイスしているけど。
「ええと、ここの問題は……」
「ああそれはね」
まあ、皆地頭はいいのでそんなに問題はないけどな。
そしてそろそろΩについての危険性もテレビ房総で訴えていくべき時期だろう。
幸いというべきか宮元勤はすでに動物虐待で逮捕されていて、おそらく死ぬまで刑務所の中だろうからそっちの心配はとりあえずいらないと思うが。
ちなみにΩなどの新興宗教が急激に信者を増やす方法は「出版」で、まず昨年の昭和60年(1985年)にオカルト雑誌の双璧だった『アトランティス』と『黄昏地帯』へ「空中浮揚」の写真を掲載して、今年は週刊誌の『好色男』にみずからの「空中浮揚」の写真を掲載させることに成功している
この時代は高度経済成長の終焉もあって、ノストラダムスの大予言のような終末論やUFO、心霊写真やネッシーやビッグフッドなどのUMA、スプーン曲げや透視などの超能力者などのオカルトが大流行している時期。
なので『アトランティス』が最も勢いがある時期であり、読者も多い。
そこでΩは毎号のように広告を出して、連載枠を獲得し「私は驚異の空中飛行に成功した!」という記事で空中浮遊写真が掲載されたんだが、実際は髪の毛とかのブレからもなにこの『頑張ってあぐらを組んだ状態で飛んだ瞬間を写しました』感が見え見えの写真は? だったりするんだけど、それから彼はオカルトライターとしても名前を売っていくことになり、そして同様に広告を乗せることで、一般週刊誌の『好色男』に記事が乗ることでオカルト好きではない普通の人間にも名を知られるように成るわけだ。
そして今年1986年に設立されたΩの出版部門から次々書籍が刊行されて、それにより急激に信者を増やすことに成功した。
これを書いているのが教祖なのかゴーストライターなのかはわからないが、薬害エイズなどの不安につけ込んでうまく気を引くような書籍も混ざっているうえに、挿絵や写真が豊富でわかりやすくなっており、その他にも漫画やアニメでわかりやすくしたりもしているので彼はそういった媒体の活用法をよくわかっているとも言えるだろう。
実際に1985年には15人だった会員は1986年には200人になり、その後は1987年には600人、1987年には1,300人、1988年には 3,000人、1990年には 5,000人、1995年には15,400人の信者を獲得していくことになった。
アメリカのカルトで信者の大量自殺を引き起こした人民神殿の名目の信者数は20,000人とされるが実際は5,000人程度でしかなかったはずなのを考えればこれはかなりの数なのだ。
まあ、肝心のノストラダムスの大予言が大外れして1999年7の月に人類が滅亡する事もなく、普通に2000年を迎えたこともあって世の中の世紀末ムードは消えて、オカルトはその後衰退していくんだけど。
しかしこの頃は近づく世紀末に起こるハルマゲドンというものは一部では真面目に信じられていたし、Ωでは出現する救世主が麻原であり、麻原に帰依する善の人々が悪に勝利して真理の世界がやってくるという方向に走っていったんだ。
なにもこれは日本だけではなくアメリカやヨーロッパでも同様な新興宗教は数多く成立していて、日本でも
もともと彼は毛沢東を心酔していて、すでに「武力と超能力を使って国家を転覆することも計画しており、その時は、フリーメイソンと戦うことになるだろう」などと語っていたりもする。
とは言えΩは教祖や信者が貧相で素朴な宗教服を来ていたこともあって、近代的ではない本物の宗教という風に捉えられていたのだが。
”このままだと日本はやばい”の第三回目を行おうと思う。
まあ今回は討論じゃないけど。
「さて、本日は前田健二さんおひとりでの放送となります」
「さてみなさん。
最近はノストラダムスの大予言が日本では大流行していますし、欧米などでも終末がやってきて、天変地異によって地球が滅び、神に選ばれたもののみが救われるという終末論が活発ですが、はっきり言えばバカバカしい事です」
「そして自分たちの教団こそが終末の地球人類と地球を救う使命を持っており、入信したもの以外は神によって滅ぼされると主張し、活発に活動をしていますが、天変地異による世の終わりなどというようなことは起こりません」
「ああ、無論大きな被害が出る地震や火山噴火などが起きないということでは当然ありません。
ただそこには神の意思などがあるわけではないのです。
実際に1954年や1982年に世界は滅びるという予言があったにもかかわらず僕たちはこうやって普通に生きています」
まあ伊邪那美様の力で過去にやってきた俺が言うことじゃあないかもしれないけどな。
「世界の終わりを望み、自分だけは神によって救われるなどと考えるべきではありません。
そして自作自演で戦争状態を起こそうなどというのは問題外です。
ノストラダムスの予言が当たれば、今までせっかく努力してきた人生が無駄になると思っている人達もいるでしょう。
だからといって刹那的な行動に走ったり、将来設計を怠ってはいけません。
キリスト教の終末論を改竄して危機感と恐怖心を煽るような嘘に騙されてはいけません」
「カルトが終末論を利用するのは、皆の現状に対する不満や不安を利用しているだけです。
しかし、神が勝手に理想を体現してくれるようなことはありません。
現実に対する嫌悪感忌避感をもたせ、財産を放棄させ教団への寄進をさせたいだけです」
「私はキリスト教徒ではありませんが、聖書にはこのように書かれています。
”聞く耳のある者は聞くがよい。神の国は、見える形では来ない。ここにある、あそこにあると言えるものでもない。実に、神の国はあなたがたの間にあるのだ。””見よ、あそこだ、見よ、ここだと人々は言うだろうが、出て行ってはならない。また、その人々の後を追いかけてもいけない。”と」
(『ルカによる福音書』第17章21節・22節)
「私たちは神や教祖に救いを求めるのではなく、自分たちで考えて行動していかなければならないのです。
自分たち、自分の子供たち、子供のそのまた子供たちのために、よりよい未来を作るにはどうすればいいのかを」
そんな感じで俺達の話は終わった。
まあ日本人の場合は自分で考えなさいと言っても難しいかもしれないけどな。
そもそもそういうふうに教育をされてきてないわけだし。
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