なんとか雇用の確保もできてきたかな、命のゆりかごを全国展開していこうか
さて、去年の6月に株式会社を立ち上げてから約1年たったが、その間に雇用の確保の筋道はできてきたと思う。
稼ぎ頭のゲーム関係もゲーム制作部メンバーも増えているし、それ以外のメンバーもゲーム狂、タイタン、飛翔企画、アドバンスドテクノスなどのメンバーもいるから、正社員だけでも50人くらいにはなっているし、テストプレイ要員などのバイトも含めれば100人くらいには成った。
まあ、あげている利益に比較すればまだまだ人数は少なめとも言えるけど、もともとゲームで利益をあげてほかの分野への足掛かりのための資金にするのは予定通りだから、そこも人手を増やすつもりもないけど。
あと基本的に新入社員は最初から正社員では雇わず、最初はバイトで90日は働いてもらっている。
日本では正社員として就職する際には”面接官に気に入られる”ための面接対策だけすればOKでいったん入社すればよほどのことがなければ首にはならないわけだが、面接での面接官の評価と、実際の仕事の能力や職場での人間関係の評価に全く関連性がないのはアメリカの研究でも実証されている。
ああ、もちろん面接で”社会人として最低限”のことすらできないやつ、例えば遅刻するとかで約束をちゃんと守らないやつなどを事前にはねることはできるし、ゲーム制作部の場合には会長の”あなたは何をもってお金にするのですか?”という”何が出来るか?”という質問にちゃんと答えられるだけの自分の持つ武器を把握している必要があるけどな。
ただゲームが好きだからとかあいまいな理由ではなく、プログラムが得意、絵を描くのが得意、曲を作るのが得意、など自分がゲームを作る際に何ができるのかはっきりアピールできるのが大事なわけだ。
厳しいかもしれないが自分は何ができるかわからないから、会社でそれを見つけて育ててほしいなんて言っている奴じゃあダメなのだ。
まあ、実際バイトをしてみたけどなんか違うってすぐ辞めていくやつも多いからな。
辞める時にちゃんと連絡があればいいけどそれすらないやつも多いし。
アニメ制作会社も国際動画社、ジェー・ジェー・スタッフ、東京動画、スタジオジブチ、ガイアックス、スタジオクラウンといったスタジオをドンドン買い取っていったからそこで働いている人数は150人から50人と様々だが合わせれば500人から600人くらいはいると思う。
アニメーターの給料の改善もしているのでなんだかんだで、人も増えているようだ。
常磐ハワイアンセンターは600名の従業員がいるし、谷津遊園や横浜と奈良の無限ランド、山形のヤマコーランド、新潟の安田ランド、福井の芝正ワールド、宮城の八木山ペニーランド、三重県のナガシマ温泉ランド、岡山だと鷲羽山高原ランド、広島のナタリー遊園地、淡路島の淡路世界遊園、四国の徳島家族遊園地の従業員は200人程ずついる。
温泉旅館に関して言えばそれぞれの規模はでかくないので、従業員数はおおむね10人程度だが、それなりの数の旅館を持っているので合わせれば100人くらいはいる。
かなり多いのは東京四洋電機で社員数は1万5千人。
最も携帯電話の製造に取り掛かり始めたらもっと増えていくとは思うけど。
DDTは、今は2000人ほどだが携帯電話の販売を始めればもっともっと増えていくと思う。
「そういえば北条先輩。
買い取った製薬会社の抗エイズ薬の開発状況はどういう状況かな?」
「現在非臨床試験の最中ですわね」
「なら新薬が作れるまでもう少し時間はかかるかな」
「とはいえ、今回は異例の速さで新薬の開発を進めるように厚生省から言われているようですけどね」
「新薬の承認まで普通なら短くても5年はかかるらしいけど、それを待っていたら死んじまうからな。
ああ、それと産婦人科の“命のゆりかご”のほうはどうかな?」
「予想以上に電話での妊娠に対しての相談件数や実際に新生児をあずかる件数が多いですね」
「そっか、不妊治療をしているのに子どもが出来ない夫婦に養子縁組をこちらで行ったり、堕胎手術せず乳児院での出産や育児費用を代わりに貰うことで損にはなっていないよね」
「ええ、もっとも事前の相談がない場合は無料で乳児院にて預かってもらっていますけど」
「できれば47都道府県すべてに、人口が多い東京、愛知、神奈川、大阪、千葉、兵庫、埼玉、福岡と面積が広い北海道は2地区に分けて同じような産婦人科や児童養護施設を設置したいな」
「現状はジュエルス2やファンタジースターなどの売り上げも好調ですのでやろうと思えばできますが、きちんと儲かるものに投資したほうが良いようにも思いますけど?」
「でもさ、ゲームなんて言うのは世間的には子供から金を巻き上げているって評価なわけだし、それなら本来は助からない命を助けるという”善行”をしておくのは単純な金銭的利益以上に世間的な俺たちに対しての目線を和らげる意味があると思うよ」
「そういったことを口にしてしまうとものすごく冷徹な論理に聞こえますけども?」
「いや、北条先輩に納得してもらうにはそれなりに理由があることを示す必要があるから。
でも、少なくとも死ななくてもいい命やそれにより罪を負わなくてはならない人を助けられるのはよいことじゃないかな?
実際には米国の大富豪が「多額の寄付」をする理由は寄付に対する節税効果という税制が整っていることもあるし、世間に対するアピールや自分に対する戒めでもあるらしいよ」
「まあ、いずれにせよ損にはなりませんのでやっておきますわね」
「うん、お願いね」
まあ、実際にただ感情的に生まれることを許されない命を救いたいなんて言うのは人によっては神にでもなったつもりかと言われるような傲慢なのかもしれないが、それをしらんふりして見過ごすよりはいいと思うし、寄付をすれば”彼はこれだけ社会に貢献している”ということで世間の良い評価を受けやすくなって、結果味方も増えるらしいし、生まれる人間が増えれば将来のゲームなどのユーザーが増える可能性も当然増えるはずだしな。
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