升岡富士雄さんがNAND型フラッシュメモリを開発してくれたようだ
さて、今年の初めに西芝から引き抜いた升岡富士雄さんは今現在東京四洋電機の開発部に所属している。
そして北条先輩から報告があった。
「升岡富士雄さんが新たにNAND型フラッシュメモリと呼ばれるものを開発したとのことですわ」
「お、それはいいことだね」
「というかそれは儲けにつながりますの?」
「ああ、西芝はその価値が全然わかってなかったみたいだけど、将来的にめちゃくちゃ儲けにつながるよ」
彼はすでにNOR型フラッシュメモリを開発していてそれはアウトテルなどのCPUなどにすでに利用されているが、性能を落として価格を安くするメモリとしてさらにNAND型フラッシュメモリを発明している。
このメモリは電源を供給することなくデータを数年間程度保持することができるので、電池が必要なバックアップメモリにかわってデータを記録するメモリに利用することもでき、実際に”前”ではパソコン用にUSBメモリやSSD、デジタルカメラ、携帯音楽プレーヤー、携帯電話、ゲーム用のメモリカードなどの記憶装置として使用される。
むろんこの時点で一般的にメモリとして認識されているDRAMはフラッシュメモリが発明されたのちも演算に必要なデータを一時的に置いておくために使われるが、フラッシュメモリとは使用用途が違うこともあって、その後も利用され続け世界的な市場は拡大しているんだけどな。
”前”において彼が特許関連で裁判をおこしたとき西芝の知財担当者は半導体エネルギー研究所の社長にたいして『彼の発明は全く価値が無い』、『その根拠として、そちらの数十件の発明を利用させて欲しい』『しかし、そのことは第三者には伏せておき、舛岡氏の発明の特許は西芝特許として有効に使いたいので、そのために知恵を貸して欲しい』といい、元社員のフラッシュメモリ特許を無価値とし、しかも特許料を第三者に払ってしかもその後には倒産危機に陥って結局メモリ関連は売り払ったりしていたのだから度し難い馬鹿としか思えない。
ただし1970年代前半はアメリカの独占状態であったDRAM市場は1970年代の後半から日本メーカーの急成長が始まり1980年代初頭には米国を抜き、日本のメーカー製のメモリのシェアが首位になり、1986年にはそのシェアは80%に達した。
1985年にはアウトテル社がDRAM製造から撤退し、マイクロプロセッサに事業を集中することになった。
1980年代の前半に、米国のDRAMユーザーは日本製を支持したのだ。
1970年代までは、「安かろう悪かろう」の代名詞であった日本の製品だったが、DRAMというこの当時における最先端ハイテク分野において、アメリカ製に比べて安価で品質の良い製品であったことが、米国製品を凌駕し市場の大半を握ったことで証明されたわけだ。
この比較的安価で品質が良いというのは家電や乗用車でも同様だったんだけどな。
それにより米国半導体業界は日本製メモリの価格をダンピングとして米国通商代表部に提訴し、これを受け、1986年9月に日米半導体協定が締結され、価格監視制度が導入された。
これは製造コストに対して適正な利潤をのせた適正価格以下で販売してはいけないとするもので、結果として日本企業のメモリビジネスは大いに儲かったし、日本がDRAMシェア世界一になったとき、その用途の多くは高価で信頼性が要求されるメインフレームであった。
だが、90年代に入ると、メインフレームから安価なパソコンがメインになっていくが、パソコンの出荷台数の増大とともに成長したのは韓国で、韓国はパソコン用の安価なDRAMを大量生産し、アメリカによる価格監視は韓国製品には適用されなかったことによりシェアを大きく伸ばしていくわけだ。
「これからはワークステーション用メモリはともかくパソコン用メモリは長期間利用の信頼性よりも価格を重視していくべきだろうね。
どうせ性能の上昇である程度したら買い換えないとだめになるはずだし」
俺がそういうと北条先輩もうなずいた。
「確かに2年前のパソコンでは遅すぎて使えないという状況ですわね。
学校の機材としてもパソコンはこまめに入れ替えないといけないですから頭が痛いですわ」
「まあ東京四洋電機のパソコン生産が軌道に乗れば店頭価格の半額くらいで揃えられるようになるはずだけどね」
”前”において90年代にDOS/Vが成功した大きな理由は結局は安いということがあり、特に自作すれば市販のパソコンよりもずっと安く仕上がった。
まああと、日本メーカーのパソコンは余計なソフトをごてごてとつけすぎで値段のわりには遅くて重いというイメージがあったが、無駄な機能をそぎ落としてシンプルに必要なものだけを入れて売るという方式に戻していくべきだと思うんだ。
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