日本アニメはなぜ衰退していったのか
さて、アニメ制作のほうが順調なのはとても喜ばしい。
そして日本アニメがどんどん衰退していったのには構造的な問題がある。
たとえばMHKのアニメでガイアックスの名前を上げたと思われている不思議な海のナーデイアという作品はまずMHKはMHKエンタープライズに発注。
MHKエンタープライズは総合ヴィジョンに発注。
総合ヴィジョンは西宝に発注。
西宝はグループ・ナックへ発注。
グループ・ナックがガイアックスへ仕事を投げるというもので、なおかつMHKは動画や撮影は韓国に発注せよという指示まで出していた。
そんな状態だからMHKから降りてきた初期予算とスケジュールはほとんど第一話と第二話で使い切ってしまったらしい。
しかしアニメをオンエアする時には1クール十三話まで納品するのが本当は当たり前なんだがこれはどちらが悪いのだろうか?
まあガイアックスもその時点で『帝立宇宙軍 ネオアミスの翼』で巨額の赤字を出し、さらに『トップをねらえよ!』でさらに赤字が膨らんでいたので、このままでは会社がつぶれてしまう! と焦ったプロデューサーが、あり得ないほど安い制作費で仕事を請けてきた。
とは言え倒産すればもう失うものもないガイアックスは、失敗したらそもそもアニメの仕事どころじゃないからと、開き直ってナーデイアを作ってしまった。
まあそんな感じで真ん中十三話の島編と言われる場所は、韓国にぶん投げたけど間に合わなかったらしいが、イラクのクウェート侵攻や湾岸戦争が起きたために、テレビの放映日が延びたことでナーデイアはなんとかオンエアに間に合ったので。
けど結局大赤字で、その赤字を埋めたのがパソコンゲームの電王学園とプリンセスプロデューサーだったりする。
スポンサーから1本あたり5000万出ている制作費が制作現場では800万になっているらしいが、そもそも広告代理店やテレビ局の中抜きが多いうえに、アニメ制作会社の仕事自体が下請けにどんどん飛ばされるせいで制作側に資金が十分に行き渡らないケースがたくさんあるらしいが、ほんと馬鹿じゃないのかと思う。
まあそりゃ日本のアニメ業界が衰退するのも当然だよな。
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