派遣社員の人生やり直し 日本の未来を変えるために各種ゲーム製作から成り上がる！

秋葉原の大きな雑居ビルを二棟ほど買ってマニア向けの店をまるまる入れてみるか

　さて、８０年代の秋葉原はまだ家電と電子部品の街で表通りに大型の家電店、裏通りに部品屋とジャンク屋があるというイメージが強いが、実はノーパン喫茶やテレクラなどのアングラっぽい店が入っていた雑居ビルも結構多い。

　もともとこの土地は鉄道貨物の輸送のみでなく、神田川を利用した水運も盛んな場所であったことから、終戦直後にはアメリカ進駐軍の払い下げ物資を「上野アメ横」同様に旧日本軍や米軍払い下げの部品などをうっていて大きな青果市場もあったが、ベトナム戦争時代には電気部品を売る電気商が秋葉原に集まって来たことで電気部品の店が大量に発生して、その中から家電販売で成功を収める有力店も生まれていき、「世界有数の電気街」として有名になったが、怪しいものをうっているのは何も戦後だけの話ではなく８０年代でも変わらない。

　そして風営法改正後のノーパン喫茶が潰れた後は、雑居ビルはテナントを埋めるのが大変な状況で、９０年代には女子高生の着用済みの制服や体操着や下着を売るブルセラショップが入っていったり、堂々と１８禁同人誌が売られていくようになったり、ＪＫリフレなどのＪＫビジネスが盛んになっていくわけだ。

　秋葉原は風俗店やラブホテルはほとんどないが、18禁扱いや風俗店との区別が難しい店なんてそこら中に散見される不思議な街でもあるんだな。

　水商売や性風俗店で有名なのは新宿や池袋、渋谷などだが、そういった場所では暴力団の影響力が大きく、ビルの運営自体に関与することも多いが、秋葉原などはアメリカ軍のＭＰが直接統治していた関係もあってか、暴力団が関係している物件はあまりない上に、駅前の電気街側中心街を除けば家賃が比較的安く、総武線と京浜東北線・山手線が交差する場所で、上野と東京というターミナル駅の間でもあるため、独身男性客を集めやすい場所でもある。

「北条先輩。

　秋葉原の安く買えそうな雑居ビルを買い上げて、地下に防音を施してライブハウスを設置しつつ、一階は文化祭でやったようなメイド喫茶、二階は大正ロマン和風喫茶、その上は輸入や国産のボードゲームやカードゲームの買取や販売の店、ロボットアニメのプラモや超合金を買取や販売する店、ホムコンやＳＡＧＡの本体やゲームソフトをうったり中古品を買ったりする店、同人誌の買取や再販売、委託販売をする店なんかをまとめていれるようにしたらどうかな？

　それとは別に普通にゆっくりできる喫茶店の上にカレー屋とかゲーセンやカラオケボックスや女性向け同人誌や女子がたとえば有名な高校の制服を着ることが出来る喫茶店も作ったりしたらいいと思うけどどうだろう？

　あと青物市場跡地には駐車場を作ろう。

　秋葉原の店は駅から近いからって駐車場は殆どないけど、駐車場があればもっと行きやすくなるはずだしパソコンとかを買うには便利になるはずだし」

「秋葉原で、ですか？」

「うん、今ならノーパン喫茶が潰れたり、家電販売店が営業不振でビルから撤退したりして、借り手に困ってる雑居ビルも多いと思うし、秋葉原は食事や休憩を出来るところが極端に少なかったりもするし、買うなら今がいいんじゃないかな。

　メイド喫茶なんかはまだどこもやってないし」

「なるほど、たしかにそうかも知れませんわね。

　安く買えるのであればやって見る価値はありそうですわ」

「あと、あんまり仕事がない声優やアイドルのバイト先として彼等彼女らが接客するカフェやバーも作るといいかも」

「それはたしかにいいですわね」

　８０年代後半から９０年代にかけて巨大カメラや淀川カメラなどの価格面で勝る大型家電ディスカウントストアが新宿や上野などにできたり、オオシマデンキ、ヤマハタデンキなどの郊外大型家電量販店がでてきたこともあって、秋葉原の家電量販店が衰退し始め、それに代わってパソコン関連の専門店が多くなっていき、ゲームやフィギュアなどの専門店も登場し、いわゆるオタク向けの同人誌やアニメグッズを扱う店舗も出てくる所で、メイド喫茶も出現するのだけど今はまだそこまでは進んでいないので、先に俺たちで実績を作っておくのがいいかと思うんだ。

　あとこの時点の秋葉原はゆっくり食事を出来るところが極端に少ないので、純粋に飲食はけっこう狙い目なんだよな。

　Ωが秋葉原に進出したのもそのあたりに理由があると思うし。

　後、ライブハウスは今売れていないロックバンドのメンバーのライブに使う他にもゲームソングやアニソン歌手を目指す女の子たちを秋葉原発アイドルとして育てていってもいいかなと思う。

　まあ普通にアイドル目指したい女の子はそれはそれで集めるべきかもしれないけど。

　今は夕方ニャンニャンのニャンニャンクラブが爆発的にヒットはしているけど結局はあっという間にブームが終わるし、アイドルの使い捨てみたいな状況もなんとかしたいよな。

　けどもニャンニャンクラブだけでなく、その後の朝娘やＡＫＩＢＡ４８などの女性アイドルグループやジャーニーズの男性アイドルグループのほうが単独アイドルよりも知名度を持ちやすいということを考えれば女性グループアイドルを生み出したというのは大きいかもしれない。

「テレビ房総でも音楽オーディション番組をやってアイドル希望の女の子を集めて見ようか。

　結局はオーディションに合格してもその後ボイトレやダンスレッスンは必要だと思うけど」

　北条先輩は俺の言葉に頷いた。

「せっかくレコード会社を持っているのですし、それもありですわね」

　まあグループアイドルだとメンバーの一人あたりの印税の取り分が減るとかはありそうだからそれはそれで難しい問題なのかもしれないけどな。