12月に入ってようやく桃の子太郎討鬼伝説TRPGなどが発売されたな

 11月はあっという間に終わって12月になった。


 学校行事としては11月末に保護者面談があって、進路希望などを一応聞かれたが俺は当然東大を目指しますと言ったし、上杉先生や母さんも特に反対はしなかった。


「まあ問題はないと思いますよ。

 お母さん」


「ええ、そうですね」


 株価は10月から11月はパッとしなかったが12月のクリスマス商戦の時期に入り平均株価が13000円代を目指して上がってきたところだな。


 そして12月にある二学期期末考査が終われば終業式で冬休みだ。


「お、桃の子太郎討鬼伝説TRPGとホムコンとパソコンの桃の子太郎討鬼伝説RPGがようやく発売されたか」


 桃の子太郎討鬼伝説TRPGに関しては、11月中に見本誌は届いていたので11月には印刷自体は終わっていたはずだけど、だからといって本屋の店頭に並ぶのとは日にズレがあってなかなかヤキモキしたがようやく発売されたようだ。


 この時期はまだまだゲームブックが人気で、桃の子太郎討鬼伝説TRPGもゲームブック形式のソロアドベンチャーをメインとしているが、ちゃんと多人数で遊べるルールブックやシナリオ集、リプレイなども発売されている。


 この時代はようやく地下迷宮龍の日本語翻訳版が玩具店でボックスが5000円くらいで売られ始めた時期でもあるんだが、赤い箱の「ベーシックルールセット」は、20万個以上が売れたらしいからまあかなり儲けてるよな。


 それはともかく文庫での発売もゲームブックブームのおかげでそこまで違和感なく受け入れられているらしいし、高校生などにはこちらのほうが売れているようだ。


 まあ、モンスター・武器・魔法のデータなどがさほど多くないから文庫でもあまり問題ないので出来ることでもあるけどな。


 またこの時期はまだまだ書籍の売上は伸びているし、ゲームブックは普通に10万部、売れているものなら20万部、30万部を超える売上があったりするのでそれなりには金になる。


 もっともゲームブックブームはせいぜい88年くらいまでで、文庫版TRPGやホムコンRPGなどが市場を伸ばすと入れ替わるように衰退していくんだけどな。


 それはともかく”剣の世界”は”前”だとシリーズ累計発行部数が1000万部を超えているはずで、こういったTRPGのルールは根強いファンが付けば、長い間売っていけるのが強みでもあり、TCGのようなアナログカードゲームもTRPGのようなアナログの戦闘を経験している方が入りやすいだろう


 無論ホムコンゲームなどに比べれば、文庫だと商品単価も安いし、100万本売れることも珍しくないホムコンソフトに比べれば、一桁程売れる数も少ないから、手にはいるのは単体では20万部売って1000万円くらいだが、基本ルール、追加ルール、ソロアドベンチャー、複数プレイ用シナリオ、リプレイなどを別々に‘門川書店’という大手出版社からいろいろな物を出版できるようになるのは強みだと思う。


 まあ俺たちが持っている出版社で出版しても販売しても良かったんだが、やっぱ取次や書店での棚の強さでは最大手にはやはり敵わないしな。


 まずはTRPGの認知度を上げるのが最優先だからな。


「それからホムコンの桃の子太郎討鬼伝説RPGが150万本、パソコンで10万本ほどは売れましたわね」


「なるほど、ホムコンだと初ジャンルのRPGとしては幸先がいいスタートだと思う。

 やっぱり‘週間ホップ’の袋とじで宣伝してもらえるのは大きいよな」


「同様なことが出来るのであれば自分たちのメーカー名で販売したほうが売り上げは増えそうですけれども」


「それはたしかになぁ」


 それはともかく“ゲーム大会”用に仕上げている、ストーリーモードのAI付きで声も入っている‘ジュエルス2’もアーケード基板で現在デバッグ中だし“ゲーム大会”開催には間に合いそうだ。


 谷津遊園での‘コミケ’の受け入れ準備に備えで12月25日はヘリポートの“ラジコン&ミニ四駆”会場とビーチハウス大食堂兼休憩所には、‘コミケ’関係者以外は入場できないという事前の通知もしている。


 そして“高川ゆん氏”のような同人作家にも声掛けを北条先輩にはしてもらっている。


 この時代の漫画では集英組・講談組・小学組・秋田組などの出版社が圧倒的強いけど、画力に関して言えばプロに負けないような同人作家も多い。


 まあそれがエロや、やおい方面に走る傾向が強いのがあれだけど。

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