どんどんゲームを作るために分業もしていかないとな

 さて、クニマス関連の話題で谷津遊園の釣り堀の入場者も休日にはグッと増えて釣り堀に使うプールを増やして対応しないといけなくなった。


 気温も下がってきたことで流れるプールはニジマスの釣り場にしてみたが、釣り上げたニジマスをその場で内臓などを取り除いて串で焼いたり、ムニエルで食べられるようにしたら男の子連れのお父さんになかなか評判も良かったよ。


 それからセイントリオ関係の遊具は小さい子でも乗れるように、小さいものでまとめたおかげもあって遊具の設置は終了し、全天候でアトラクションを楽しめるセイントリオパークも無事開園できたんで、小さな女の子を連れたお母さんとかに大人気だ。


 お父さんが、ゴルフをしたい場合にはお父さんだけ、比較的近いゴルフコースのカントリークラブでゴルフをプレイできるように送迎を行うようにもした。


 船橋の50周年記念で建設中のわんぱく公園と友好業務提携を結ぶ予定で、あちらはメインはアスレチックなどだから谷津遊園とは棲み分けも出来ると思うし、将来的にはテーマパークでは日本で3位の入場者数になるから潜在能力はあると思う。


 後は、あちこちの外国にエアメールで送ったペンパル募集の返信がようやく戻ってきた。


「アメリカとフランスとイタリアのアニメ好きの女の子からやっと返信が来たか」


 俺がそう言うと朝倉さんがジト目で俺を見ながら言った。


「やっぱり部長の相手は女ですか」


「別に狙ったわけじゃないんだけどね。

 朝倉さんの方はどうなの?」


「もちろん私はロック好きな女の子とやり取りしてるですよ」


 朝倉さんがそう言うと明智さんも、にぱと笑って言った。


「あ、自分もドイツのボードゲーム好きと文通してるっすよ。

 あっちは普通に家族で遊べるらしいんで羨ましいっす」


 そう言うと最上さんと斉藤さんも言った。


「私も児童文学好きな人がみつかったよー」


「私も海外の文学好きの人とやり取りしてるわよ」


「みんなペンパルが見つかったみたいで良かったぜ。

 そういえば会長。

 ラジコンとかミニ四駆の大会とかの方はどうかな」


「ええ、打診をしたらかなり前向きに検討してもらえているようですわ」


「なら谷津遊園で対戦型ジュエルスの大会とかもやったらどうかな。

 テレビ房総での放送付きで賞金は100万円とかで」


「それも良いですわね。

 今から準備してゲームセンターや玩具店で告知すれば年末くらいには開催できると思いますわ」


「うん、じゃあやろう。

 こうすれば対戦型ジュエルスももっと売れると思うしさ」


「要は大会そのものは広告宣伝目的で行なうということですわね」


「うん、ラジコンやミニ四駆の賞金付き大会があるなら、ゲームでもあってもいいと思うしさ」


「たしかにそうですわね」


 で桃の子太郎討鬼伝説RPGはデータ的には一応完成したので現在バランスを見るためにテストプレイとデバッグ中。


「RPGはデータ量が多いだけあってバグの数も桁違いに増えたな」


 俺がそう言うとナセルさんが笑っていった。


「それは仕方がないね、こういう時は隅々までキャラクターを動かしてみて地道にバグ取りや敵の強さの調整をしていくしか無いよ」


「そうですよね」


 なんだかんだで全部合わせればで現在4ヶ月くらいはこれに時間を費やしてる感じがするが、これでもRPGの制作期間としては、まだ短い方ではあるんだよな。


 フェニックスのファミコン版ドラゴンクレストシリーズ初代は5ヶ月ほどらしいので多分同じくらいになるだろうけど、ぷよ&ぷよは製作期間17日らしい。


 そりゃ17日で作ったソフトが年で70億の売上になったら勘違いもするかもな。


「でも桃の子太郎討鬼伝説はCRPG制作のいい練習になったな」


 俺がそう言うと斉藤さんが恨めしげに言った。


「こんなにも作るのが大変だとは思わなかったわ」


「たしかにある意味使わないかもしれないテキスト量とかが圧倒的に増えるしな」


 ウインザードみたいな3Dダンジョン系ならそこまででもないんだけどアルテマみたいなタイプだとどうしても村人とかの会話も増える。


 ストーリーも細部まで詰めないといけないし、何よりもその全てを隅々まで“通しプレイ”して、出現する敵の主人公に対してのレベルの対応に関してのバランス調整をみっちりやる必要がある。


 どこかで先に進めなくなってクソゲーになったRPGもどれだけあったことか。


「でもこれからは、RPGは家庭用ゲーム機の主流になっていくはずだからね。

 斉藤さんにはSAGAから出す予定のSFファンタジーRPGのファンタジースターのシナリオを担当してもらいたいと思っているんだ」


「やることが無いよりはずっといいけど、それもまたまた大変そうね」


「ある程度は俺が設定はまとめておくけどね。

 ホムコンでは冬に発売する小説のデジタルディーヴァストーリー女神召喚の世界観を使ったRPGを作っていこうと思うけど」


「世界設定があるならまだ楽そうね」


「うん、それにそろそろテストプレイヤー的なことをしてもらっている他のメンバーにもゲーム製作を投げようと思うんだ」


 タイタンのメンバーは現在ではテストプレイヤー兼デバッガーとして働いてもらっている、それはとても大事なんだけど、実際”前”には女神召喚シリーズを作っているし、そろそろ制作を行ってもらってもいいと思うんだよな。


 後々大ヒットするポケットモンスターマスターを制作することになるゲームサークルの“ゲーム狂”も引き入れておくべきか。


「会長“ゲーム狂”っていうゲーム系同人サークルのメンバーをうちに入れられないかな?」


「ああ、その方たちでしたら我社に自主制作ゲームやゲームレビューの同人誌を持ってきて、バイトに応募してきていますわね。

 ゲーム雑誌のライターになって頂く予定でしたけど」


「あ、それも必要だね。

 でも彼等にも最終的にはゲーム製作を任せたいな」


「制作するゲームが増えてそれぞれの製作期間が伸びそうな以上はそれも必要ですわね」


 それなりにゲーム製作に関しての環境も整ってきたかな。

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