東武動物遊園地に立ち寄ってから浅草の華やしきを見よう
さて鬼怒川温泉で一泊したら、東武鉄道のロマンスカー”きぬ”で浅草に向かうつもりだった……のだが。
「あ、谷津遊園の参考になるかもしれないから東武動物遊園地に立ち寄っていくか。
動物園と遊園地が併設されていると言うのはあんまり他にはないしな」
小さい動物園と遊具がある場所などはあるかもしれないけどな。
俺の提案に会長は賛成のようだ。
「それも良いですわね。
どうせなら谷津遊園の参考になる場所をたくさん回っておきましょう」
ということで、東武動物遊園地駅で下車して東武動物遊園地を実際に見て確かめることにする。
ここの総面積は関東最大級の61haで、入園者数でも上位の人気のレジャー施設だ。
遊園地、動物園、花と植物の広場が併設されているという構成は谷津遊園とも似ている。
開園は1981年と比較的最近で東武鉄道創立80周年記念事業として開園し、初代園長にはカバ店長と呼ばれる上野動物園の人気の人で動物園と遊園地に加えて雨天対応の芸能人のコンサートなどのイベント会場としても運営することで、集客を図ってるらしいけど……。
「これ間違いなく谷津遊園を参考にしてるよな」
今はまだプールはないが、プールももう少しでオープンするし。
「谷津遊園は総合レジャー施設として、上野動物園に次ぐ数字を持っていましたから参考にもするでしょうね」
まあ、東武動物遊園地の開園を計画していた時点では谷津遊園は入場者数2位だったわけだったらそりゃマネもするか。
舞浜のアレのような独特の世界観をもたせたテーマパークのほうがその後は主流になるとは思わんだろうし、それも成功したのは一握りだったりしたし。
遊園地ゾーンのアトラクションは色々あるが目につくのは観覧車にゴーカート、コーヒーカップにスワンボート、SLなどなど。
「やっぱアトラクションの構成も参考にしてるよな。
まああんまり古いものはないっぽいけど」
そしてジェットコースターだがジェットコースターはこちらのほうが新しいだけに落差なども大きくてやはり谷津遊園のより刺激が強いっぽいな。
「ジェットコースターはそのうち新しいのを入れないと駄目かなやっぱ」
斉藤さんは首を傾げてる。
「あまり刺激が強くないものでもいいとは思うけど?」
それに対して明智さんが否定する。
「いやいや、やっぱ絶叫系はスリルが大事っすよ。
絶対新しいものは必要になるっす」
「まあ、絶叫系は好き嫌いが激しいからな」
それから土産物屋を見てみる。
「あ、こ、これ、かわいいですね」
土産物コーナーでは動物のぬいぐるみが色々置いてあるがカバなんかは特に目立っていて浅井さんが買いたそうにしてるな。
「カバをおしすぎだろ……ああ、でも浅井さん買いたいなら買おうか?
園の子供たちも喜ぶだろうし」
「あ、は、はい、いいですか?」
浅井さんはどれにしようかなと迷ってるらしい。
朝倉さんも物欲しそうに見てる。
「たしかにちょっとあざといです。
でも可愛いのは事実です」
朝倉さんも意外とこういうの好きっぽいんだよな。
クッキーやチョコは缶入りの商品だけどこれもお土産としては悪くない。
「谷津遊園でもセイント・リオグッズと一緒に動物のぬいぐるみとかお菓子も売るか」
ここでは15種類以上の動物がラインナップされていて、カバンにつけられるマスコットサイズから抱きかかえないとダメそうなでかいものまである。
「それも良さそうですわね」
結構女の子や小さな子供が買っている様子なので会長的にも儲けにつながると見たようだ。
ちょっと変わっているのは移動する消防車型のゴンドラに乗って水鉄砲で燃えている建物の的に狙いを定めて撃つアトラクションでこれは身長制限もないようなので男の子たちがすごい楽しそうにしてる。
「これいいな、そこまで金かけないで作れそうだし」
「なるほど、男の子向けとしては良さそうですわね」
大きな円心ブランコに乗ってる子供も楽しそうに歓声を上げているな。
屋外の巨大迷路とかもたしかに昔はやってたしゲームセンターはもぐらたたきとお菓子をすくうかクレーンゲームがメインだな。
「なるほどな、実際に見てみると結構いろいろ参考になるもんだな」
「そうですわね」
動物園が虎とかライオンとか象とかヒグマといった猛獣が多いのであんまり参考にならないな。
「まあこういった猛獣を飼育するほうが普通なんだろうけど」
「それもそうよね」
狸とかペンギンなんかもいるけどな。
「さてそろそろ華やしきにもいくか」
東武動物遊園地駅からまたロマンスカーで浅草へ向かい終点の浅草で降りる。
「なんか随分和風ですのね」
「もともとは植物園だったらしいからな」
華やしきにはローラーコースター、和風のお化け屋敷、ビックリハウス、ミラーハウス、豆汽車、鬼の形をしたものにボールをぶつけて鬼を泣かせるゲームの鬼退治なんかがある。
「鬼退治かぁ。
なんかこう言うほうがかえって新鮮なのかもしれないな」
俺がそう言うと最上さんが首を傾げた。
「新鮮ですかねぇ?」
「んーなんかビデオゲームとかが出る前のアトラクションって感じだし?」
「そういわれてみるとそうかも知れません」
人工衛星塔は華やしきの象徴みたいなアトラクションでおかしの家をかたどった観覧車が糸で釣り上げられていって、地上45mまでゆっくりゆっくり上昇するちょっと変わったタイプの観覧車。
浅草大迷路は忍者屋敷を意識した巨大迷路で忍者が仕掛けた罠をかいくぐって進むと言うもの。
「こういうのは外国人は好きそうかも」
「スシ・ゲイシャ・フジヤマっすね」
明智さんが笑っていうが実際に”前”は浅草寺に行った後に花やしきでこういう和風アトラクションや忍者体験や芸者遊び体験を楽しむ外国人は結構いたはずだ。
「これはこれで特徴を出すにはありか」
日光江戸時代村や東映京都映画村みたいな忍者や侍をテーマにしたところもなんだかんだで人気だしな。
今回は福島の帰り道に立ち寄っただけだけど、富士急高原ランドや舞浜のアレも見に行っておいたほうがいいかもな。
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