自作ゲームを作ったり、競馬の予想をしながらも確実に高校入試は近づいてくる
千葉経済高等学校は私立なので入試は1月、公立前期は2月、公立後期は3月とかで、私立の入学願書は12月下旬から1月上旬までに出しておかないといけない。
「そろそろ願書の用意とかもしないとだね」
「そうね」
俺は斎藤さんと一緒に受験勉強をしつつ、市販のゲームのプログラムを解析して、自作ゲームをちょぼちょぼ作っているところだ。
内容はコマンド選択式のテキストアドベンチャーゲームで、まあゲームブックをパソコンでできるようにして、戦闘は自動的に行われるようにしてみたってとこだけど。
「あちゃー、また死んだか」
「すこし戦闘で簡単に死に過ぎな気がするわね」
サイコロを振って判定を行うプログラムとかHPなんかを管理するプログラムを作るのはそんなに難しくないけど、ゲーム・ブックレベルの戦闘って結構死にやすくてきついんだよな。
「斉藤さんはこれどう思う?」
「うーん、もうちょっと戦闘は簡単でもいいと思うわね。
通常の行動選択でも間違った選択を選べばそれでまた死ぬわけだし」
「そんな感じもするよな」
「もっともコマンド入力型のアドベンチャーゲームに比べれば、ずっと親切だとは思うわよ」
ちなみにシナリオはいろんなゲーム・ブックを読んでもらったうえで、斎藤さんにそれらしいものを書いてもらってる。
「自分の書いた物語がゲームになるというのは不思議な感覚ね」
「でも悪くないでしょ」
「ええ、むしろ嬉しいわ」
この頃のゲームは、ゲーム会社のフェニックス主催第1回ゲーム・ホビープログラムコンテストで準優勝したドア&ドアとか、ヘクスSLGで人気の現代大戦争とかが個人で開発制作されてゲーム会社に持ち込まれていたりする。
「中学生だと相手にされないと思うけど、高校生になればゲーム会社にゲームを持ち込むこともできるようになると思うんだ」
「それで実際に採用されて売ってもらえればいいわね」
「うん」
ちなみに土曜にテレビを見ていた父さんが競馬の話を俺に振ってきた。
「今度のセントライト記念や菊花賞の優勝はどうなると思う?」
「優勝はノンボリルドルフだとおもうよ」
「じゃあ、ちょっと中山競馬場に行って馬券買ってくるか」
「あんまり馬券買いすぎないでね。
データ的には勝つと思うけど」
「ああ、わかった」
そしてノンポリルドルフはセントライト記念と菊花賞を勝ち、これは2年連続で日本競馬史上4頭めの三冠馬となり、しかも無敗の三冠馬は史上初だったりする。
「いやー、お前の予想あたったな」
「来年ぐらいまではなんとかなると思うけど、故障が多いからその先はないかな」
「まあ、気が向いたらまた聞かせてくれな」
「うん」
11月はその他に生徒総会や合唱コンクールなどもあったけど、文化祭のときと違って俺の活躍する余地は特になかったよ。
ああ、読書感想文コンクールで斎藤さんが全国学校図書館協議会長賞に入賞したのは良かったけどな。
斎藤さんもなにげにすごいぜ。
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