第24話
ある日、集合がかけられた。
「行くよ。こうへいくん」
「はい」
キャリーケースに荷物を積める。
ここに来た時に持ってきたものは、全てなくなった。
今あるのは、ここへ来てから支給されたものだ。
ふたりで出ると、他の方たちも集まっていた。
真剣な顔をしている。
あの人は・・・院長か?
初めて見た。
「皆さん、お疲れ様でした。ここへ来ていろいろな物が身に着いたと思います」
つきました。
「お気づきの通り、ここは女性と男性のパートナーで、生活してもらいました。
女性の方が、年上だというのは、もう聞いていると思います」
雛乃さんを見るが、とても真剣。
初めて見たな、こんな表情。
でも、これで家に帰れるのか?
あっけない気もする。
そういや、リモートで受けた授業は、本来は高校で習うべきことでない気がする。
「前置きがながくなりましたが、本題に入ります」
本題?
なんだろう?
「皆様には、これからアダムとイブになってもらいます」
冗談だろ?
行き過ぎているよ。
院長さん。
「冗談じゃなくて、真面目だよ。こうへいくん」
「真面目?」
「うん。何の意味もなしに、私が君といたと思って?」
雛乃さんは、保護者的目線で僕を見つめた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます