第21話
社会が終わる。
小学生レベルの。
「なら、こうくんは、日本の都道府県を全部言える?」
「言えないと思う」
「その小学生レベルも、大きくなると忘れていくんだよ」
「なぜ?」
「人間の記憶には、個人差はあるけど、限界があるから」
「うん」
「今、必要のないものは、押し出されるんだ」
ところてんですか・・・
「でも、必要な時もあるから、その時にまた、覚えなおすの」
「うん」
「でも、最初に覚えたのと差があるから、『こんなの、習った?』ってなるの」
「はい」
「わかったかな?こうくん」
「なんとなく」
「えらい、えらい」
雛乃さんに、頭をなでなでされる。
僕は、子供か・・・
でも、嬉しい。
「で、みやちゃん、次の授業は?」
「何だと思う?」
「知らん」
「当ててみて」
だから、わからんって・・・
「ヒントね」
「またですか?」
「文句ある?」
「ありません」
「よろしい」
女は面倒臭い。
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