第20話
「山沖に、雛乃。2名そろっているな」
「はい」
「います」
田倉先生は、日本地図を広げて、ホワイトボードにはる。
そして、伸びる棒で、一点を差す。
「山沖」
「はい」
「ここは、何県だ」
小学生レベルだな。
簡単すぎる。
答えてやろう。
「埼玉県です」
「さすがに、わかるな」
当たり前だ。
埼玉と言えば、聖地。
忘れてたまるか。
「なら、ここは何県だ」
堕落先生・・・一応高校生です。
そんな問題・・・
えっ、とこだ。
九州の一点を差す。
何県だ?
福岡と鹿児島ではない。
それは、わかる。
佐賀でもない。
えーと、どこだ?
大分か宮崎か熊本か・・・
どこだ?
雛乃さんは、わかっているみたいだ。
「わからんのか・・・山沖」
「・・・はい・・・」
「まあ、仕方ないな。日本人でも地元や、興味のない県など、覚えられない」
「ええ。そこの方には失礼ですが・・・」
「でも、ここくらいは、覚えておけ」
「他は覚えなくてもいいんですか?」
「揚げ足取るな。歴史でも重要だからだ」
歴史でも、重要となると・・・
「長崎県・・・ですか?」
「そうだ。覚えたな」
多分。
覚えた。
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